136 / 469
ー58
しおりを挟む
「分かった……私が神田君を保健室に連れて行って上げようか? だから吉岡君は授業に戻ってもいいからね」
そう二人は会話を成立させると、未だに足を止め純一と未来の前に居る司の所には純一が向かい、未来は自分の教室へと戻って行くのだ。
再び純一は溜め息を吐くと司の体を軽々と持ち上げ、
「さて、私は君を保健室に連れて行かないとね」
司は純一に抱き上げられ、いつも以上に顔までの距離が無いことに更に顔を赤くする。
もう、こんな近くに好きな人の顔があったら体中にある血液が心臓に集中して更に司の心臓を波打ちさせてしまっているだろう。
何とかその純一の腕の中から逃れようと司は純一の腕の中でもがくが、純一はしっかりと司の体を腕の中に包んで抱き締めているおかげなのか司の力では抜け出すことが出来なかったようだ。
そんな中、純一は一歩ずつ歩みを進め保健室まで司を抱き上げ連れて行く。
純一は保健室の引き戸を開けると、奥に居る保健医がドアがある方へと振り返る。
「速水先生……どうされたんですか?」
そう保健医は純一に声を掛け立ち上がるのだ。
「ウチの生徒を今日はここで寝かせてくれないか? どうも昨日の怪我が影響しているのか、授業にも集中出来ないようだからな」
そう腕の中に居る司を純一は下ろそうとしたのだが、何故か司は目を瞑り純一が今日着ているグレー色のスーツをがっちりと皺が付く程握っていた。
その司の行動に純一も保健医も頭にハテナマークを描く。
「神田君……?」
純一は未だに不思議に思いながらも司に声を掛けるのだが、司は未だに口に出さずに純一を見上げ、ただずっと純一のスーツを握り涙目で純一に何かを訴えているだけだ。
純一は司の行動をよく考えると、先程、未来が言っていたことを思い出す。
そう二人は会話を成立させると、未だに足を止め純一と未来の前に居る司の所には純一が向かい、未来は自分の教室へと戻って行くのだ。
再び純一は溜め息を吐くと司の体を軽々と持ち上げ、
「さて、私は君を保健室に連れて行かないとね」
司は純一に抱き上げられ、いつも以上に顔までの距離が無いことに更に顔を赤くする。
もう、こんな近くに好きな人の顔があったら体中にある血液が心臓に集中して更に司の心臓を波打ちさせてしまっているだろう。
何とかその純一の腕の中から逃れようと司は純一の腕の中でもがくが、純一はしっかりと司の体を腕の中に包んで抱き締めているおかげなのか司の力では抜け出すことが出来なかったようだ。
そんな中、純一は一歩ずつ歩みを進め保健室まで司を抱き上げ連れて行く。
純一は保健室の引き戸を開けると、奥に居る保健医がドアがある方へと振り返る。
「速水先生……どうされたんですか?」
そう保健医は純一に声を掛け立ち上がるのだ。
「ウチの生徒を今日はここで寝かせてくれないか? どうも昨日の怪我が影響しているのか、授業にも集中出来ないようだからな」
そう腕の中に居る司を純一は下ろそうとしたのだが、何故か司は目を瞑り純一が今日着ているグレー色のスーツをがっちりと皺が付く程握っていた。
その司の行動に純一も保健医も頭にハテナマークを描く。
「神田君……?」
純一は未だに不思議に思いながらも司に声を掛けるのだが、司は未だに口に出さずに純一を見上げ、ただずっと純一のスーツを握り涙目で純一に何かを訴えているだけだ。
純一は司の行動をよく考えると、先程、未来が言っていたことを思い出す。
0
お気に入りに追加
157
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる