【BLR18】平凡な俺が男子校ではモテモテ☆男子校パラダイス【完結】

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　司は職員室の前で頭を下げ、なかなか奥へと入らないでいると、いきなり図ったかのようにドアが開くのだ。

「あ、神田君……。　朝から、また、俺に会いに来てくれたのかな？」

　この声の主はもう誰だか分かるような気がする。　そう頭の悪い司でも覚えてしまった位なのだから。　多分、英語教師である伊藤和彦であろう。

　司は更に嫌そうな顔をすると朝から純一と和彦のダブルパンチを喰らうのはかなり痛い。　司という人間はまだ男性にくっつかれたりラブラブな事を言われるのは慣れてないのだから。　余計、朝から憂鬱な気分にさせてくれる人物でしかないだけだ。

　司は思いっ切り嫌そうな溜め息を吐くと、

「違います！　速水先生に用事があるんです！」

　司の心の中では『今は伊藤先生じゃなくてー、ってか、早やく、速水先生に一応、伝えたい事を伝えに来ただけなんだけどなぁ』と言いたかったのだが、流石に司は教師に向かい、そんなことは言える筈もなく今の言葉は心の中にしまっておくようにしたようだ。

「速水先生？　今日は遅刻なのかなー？　まさか、また、生徒のことを抱いてたりしてね」

　そう語尾にハートマークが付きそうな勢いで言い、それを司の耳側で言う和彦。

「そんな訳ないじゃないですかー！」

　その言葉を聞いて、思わず大声で言い返してしまっていた司。

「あれあれ？　何で神田君にそんなことがハッキリと言えるのかな？」

　そう言われて司はハッと気付いてしまうのだ。　何で、司自身、和彦の言葉に対し、そんなことをムキになって言ってしまったのだろうか？　という事をだ。

　それが不思議で仕方なかった。

「そないなこと、今はどーでもいいんじゃないんでしょうか？　ってか、速水先生は、まだ来てないんでしょうか？」

　そう未だに怒ったような口調で言う司。　きっと司の中では和彦に対して、こんなにもイライラしているのかが分かっていないのかもしれない。