【BLR18】平凡な俺が男子校ではモテモテ☆男子校パラダイス【完結】

ー66

　純一はきっと、このシチュエーションを狙っていたのだろう。

　言葉巧みなのは間違いない。

「ちょ、え？　あ！　離してっ？　え？」

　純一の思い通りになってしまったようだ。

「ただ私は君が怪我をしないように君の体を支えて上げただけなんだけど」

　そう言われてしまえば司は言葉を失ってしまう。

　確かに純一が支えてくれなかったら、司は怪我をしていたのかもしれない。

「も、先生……もう、今日はいいだろ？　俺、荷物あるしー、戻らなぁアカンしー、先生の方も部活があるんじゃないんですか？」
「あ、そうだ……ま、確かに部活はあるんだけどね。　あ！　そういや君も今日は部活回りするんだろ?」
「はい、その予定ですけど……」
「じゃ、支給されたジャージを着て、私がやっているまずは弓道部を見においで。　まずはやってみて興味があるのなら、入るといいし」

　そう言いながら、純一は司の腕を離す。

　あまり部活には乗る気ではないが、やはり約束をした手前、行かなきゃならないだろう。

　司は生活指導室を後にすると、寮へと向かう。

　そして自分の部屋へと戻ると、自分のベッドの上に紙袋に入っていた物全部を出すのだ。

　とりあえず片付けてから部屋を出たい。

　全部出し教科書類は机の上に並べ、ジャージやユニフォームはタンスの中へと入れる。

　そして、まだベッドの上には四角い箱があって目に入ってしまうのだ。