【BLR18】平凡な俺が男子校ではモテモテ☆男子校パラダイス【完結】

ー59

　しかも司は器用にもしっかりシャーペンを持ちながら、意識的には黒板に書かれていることを書こうとはしているのであろう。

　だが、きちんとした文字にはならずにミミズが走っているような文字になってしまっている。

「司君」

　そう未来は司の耳横で囁く。

　司にとって今の未来の声には、ただただ顔をニヤけさせるだけだったようだ。

　どうやら起こすには未来の声では効果無いように思える。

　そんな司に未来は困った顔をしていた。　そうこの学校の生徒達は授業中に寝ている者はいないからだ。

　そんな時、未来は後ろに気配を感じると、未来の後ろには純一の姿があった。

　純一は未来の視線に合わせ、『シッー』のポーズを取ると、それだけで未来は純一がやりたいことに気付いたのであろう。　困ったような表情から笑顔というのかイタズラっ子のような笑みを浮かべたのだから。

　純一は未だに居眠りをしている司の後ろへと立つと、昨日同様に司の耳側で優しく甘く低い声で囁き始める。

「早く、夢の国から帰っておいで、私の王子様……」

　純一はそこまで囁くと、今日は囁きにプラスして司の右耳を舐め上げるのだ。

　その直後に教室内に響き渡るような悲鳴を上げる司。

「流石に起きたようだね」

　そう純一は司に向かいニコりとすると、教壇へと向かう。

「い、い、い、今……あの先生……な、な、何を俺にしたんだ？」

　司は今までに感じたことのないような出来事に背筋から悪寒が走っているのかもしれない。

「さぁねぇ……」

　そう未来は司の問いに分かっているのにも関わらず、誤魔化すように言う。

「……で、司君……今ので感じれた？」