【R18/完結】僕は、お姫様？王子様？

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「じゃあ、もう一個のルール……」

　その聖の言葉に僕は聖の事を見上げる。

「……もう一個！？」

　少し間を空けて驚いたような顔をする僕。

　……キスをする時のルールって何かありましたっけ？

　という状態だ。

「目瞑って……」

　……あ、そっか……そこは少女漫画でもよくあるシーンだよね？　でも、たまにそこまで言うだけ言って額にキスとかで終わるのも多いんだけど……。

　……ま、そこはいいから……。

　そう思うと僕は瞳を閉じる。

　……だって、きっと、聖の場合にはそうじゃないからね。　今は漫画の世界じゃないんだ……。　自分からしてみたら現実の世界なんだからさ……。

　……え？　あ、まただ……。　すんごい心臓がドキドキしてきてる……。　これは一体、どういう事なんだろ？

　そんな事を考えているうちに、ゆっくりと僕の前が暗くなってきた。　ほら、起きている時に瞳を閉じていると確かに目の前は暗いけど、明かり位は感じれるでしょう？　だから、聖がゆっくりと僕に近付いて来てるのが分かるって事なのかな？

　そして今まで以上に目の前が暗くなった時には唇に温かいものを感じる。

　……これが、キスなんだ……。

　本当に本当に僕からしてみたら完全なファーストキス。

　ファーストキスっていうのは、レモン味とかイチゴ味とかって聞くけど……僕の場合にはなんなんだろ？

　最初だからなのか聖は直ぐに離れて行ってしまったのだけど……。

「どんな感じだった？」

　……え？　え？　そこ感想聞くのーー？　いや、聞いてくるのーー？　流石にそこは恥ずかしいんですけどーー！　だってだって、キスにそんな感想なんてありますか！？

　だから、僕の方は視線を逸らして、

「え？　あ……いや……別に……レモンでもイチゴでもないのかなーー？」

　……その僕の答えに聖がクスリっていうのか、若干吹き出したような笑いをしているんですけどーー！

「聖はキスの味ってそう思っていたの？」

　……あ、若干だけどバカにしてる！？

　だから僕は聖に向かって頰を膨らませてみた。