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【番外編】会いたい……(朔望×雄介)雄介×望

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※本編『希望』辺りの話。 雄介が小児科医になって働いている頃です。

 雄介が医者になって何年経つのであろうか。 月日は早いもので研修医時代を含めればもう四年位にはなっている。

 最初、雄介が医者になると決めた時、恋人である望は物凄く反対していた。 その件については望と何回も話し合いをして雄介自身が本気でやりたいのだと分かってもらえて今に至っているのだ。

 雄介が医者になった今、恋人の望と顔をあまり合わせていないことに気付く。

 雄介は小児科医。 恋人である望は外科医。 同じ病院内、同じ屋根の下で暮らしているのにも関わらず科が違うだけでこんなにも恋人に会えないのであろうか。

 雄介は小児科医ナースステーションの横にある休憩室のソファに横になって天井を見上げていた。

 今日は当直でもないのだが、今日、手術をした子供の様子が気になってしまっていて今ここにいる。

 その子の手術をしたのは外科医である望。 担当医は雄介ではあったのだが、手術は外科医の仕事で何回か話し合いとかで望に会えたりはしていたが、それは仕事であって、プライベートではない。 仕事の時の望はプライベートとは違い真面目で例え恋人が側にいても仕事の話ししかしないのだから。

 仕事の時は本当に望は真面目でプライベートとは違う真剣な眼差しで、カルテや資料を見ていて雄介の事など視界にすら入れていない様子だ。 そんな望の様子に仕事中は望に近寄れる訳もなく最近は家ですら会ってもいないのだから、恋人との時間というのは全く無い状態だ。 完全に今、雄介というのは恋人不足なのであろう。

 それにしても最近は雄介が夜家にいても望の方が当直だったり、またはその逆もあったりする。 たまに同じ日に帰れたとしても今こうして雄介が病院で待機している状態で家に帰れなかったりすることが最近続いていた。

 そんなことを考えため息を吐くと、誰かが休憩室のドアをノックしてきたようだ。

 流石にノックの音が聴こえて来たら気になってしまうもんだろう。 雄介はその方向に視線を向けると、そこには、

「望……?」
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