【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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【番外編】HAPPY DAYS1 雄介←望(望視点)

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 俺は一つ溜め息を吐くと、リビングにある掛け時計を見上げる。

 今日は雄介の誕生日だ。

 だから俺は今日朝早くに起きて雄介が帰って来るのを待っているのだが、そういう時に限ってなかなか帰って来る気配がないもんだ。

 雄介の誕生日というのは、お盆も終わり人々がやっと夏の暑さから少しずつ解放される頃だ。

 だが今年の暑さというのは異常で、熱中症の患者は未だに絶える事はなかった。

 冬はインフルエンザ。 夏は熱中症。

 人々を苦しめる病気は年中あるけれど俺はそんな患者さん達を助けたいと思っている。

 外からは朝早くからセミがたった一週間しかない命の為に鳴き続けていた。

 青い空に入道雲、それにセミの鳴き声。

 未だに夏が終わる気配は見えてこない。

 再び俺は掛け時計を見上げると、先程見た時よりあまり時間が進んでいないことに気付く。

 今までにこれほど時間を気にしたことがあったのであろうか。

 いや、俺の中では、こんなにも時間を気にした事なんか無いに等しいのかもしれない。

 恋人だから、好きな人だから、本当に会えるというの日が待ち遠しい。

 そんな事、今では十分に分かっている。

 ましてや、今日は雄介の誕生日で、俺にしては珍しく雄介の為に料理もプレゼントも用意していた。

 と言っても、やっぱり俺一人でプレゼントや料理を用意するのは気恥ずかしくて、和也に相談はしたのだけど。

 その和也にだって頼むにも、どれだけ悩んだことか……だけど好きな人が喜んでくれれば、やっぱ恥ずかしいという気持ちも吹っ飛ぶであろうと思い、思い切って和也に頼んだのだ。

 確かに、アイツに頼むと最初は茶化して来たが最終的には一緒に買い物とかに付き合ってくれてプレゼントもいいものが見つかった気がする。

"ガチャ"

 という物音に俺は既にイスから立ち上がっていた。

 そう雄介が帰って来たのが分かったからだ。

 でも、それからは俺の体はその場から動こうともしなかった。

 そう心の中で変な葛藤が起きていたからだ。

 雄介のことを玄関まで迎えに行きたい気持ちと、いつものように恥ずかしさで、なかなか体が動かなくなってしまい迎えに行けずにいる。

 そうだ。 ホント、自分が自分の性格を一番に知っているのだから。

 雄介みたいに素直に玄関に迎えに行ければいいのだけど……やっぱり、ダメだ……足が動こうともしてくれない。

 いや俺の場合には、恥ずかしさの方が勝っているという事だろう。
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