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【番外編】夏祭り1 雄介×望
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今日は年に一回行われる春坂神社でのお祭りだ。
しかし望はこういったお祭り事は好きではなかった。
そんな望のことを誘うのは、家に遊びに来ていた和也と雄介である。
和也は前々から、この時期に春坂神社でお祭りが行われるのを知っていて、それを雄介に伝えたところ、雄介もお祭りという行事は好きで、二人はその話をし朝から盛り上がっていたのだが、それでも望は行く様子をみせなかったようだ。
一方、裕実は望同様にそんなにお祭りは好きではないのだが、和也と行くとならば着いて行くというタイプで和也と雄介の様子を見ているだけだった。
「望は行かんのかいなぁ」
「別に……。 何で、わざわざ人が混んでいるとこに行かなきゃなんねぇんだよ……」
「ま、そうなんやけどな……。 なんやろ? 祭りって、年に一回しかないからなぁ。 こう、なんて言うの? 心躍るっていうんかな? それに、この辺の祭りはどないな感じなんかな? っていうにも気になるしな……。 俺の場合は興味や興味……」
「だけど、俺は興味はない。 ただめんどくせぇだけだしな」
望はそう言うと夕方のテレビでのニュースへと目をやる。
「やっぱ、望はインドア派なんやなぁ」
「ホント、ホント……」
そう雄介の言葉に付いて来たのは和也だ。
「いいんだよー。 俺は別にインドア派でさ……」
どうやら望は頑として行かないらしい。 そんな望の様子に和也と雄介は溜め息を漏らす。
「もう、ええわぁ……。 な、和也……俺達だけで行こう」
「じゃあ、浴衣に着替えて……」
「ええなぁ、浴衣に着替えたら、もっと、気分になるしな」
雄介はそう言うと、和也と裕実の背中を押しリビングを出て行く。
そんな雄介達に望は一人溜め息を漏らしながら外を見上げると、真っ暗な闇の中、大きな花火が上がり色とりどりの花が夜空を彩り始めるのだ。
しかし望には夏祭りにいい思い出はない。 小さい頃、親がいなかった望。 親とは行けず友達と祭りに行っていたのだが、やはり周りは家族連ればかりで寂しい思いをした覚えもある。 だから祭りというのが、あまる好きではなくなってしまったのかもしれない。
さっき雄介達はリビングから消えてしまっていたのだが、いきなりリビングのドアが開き、
「望、行くぞー!」
「ったく……お前なぁ、さっき、俺は行かないって言っただろ?」
そう大声で言う望だが、雄介達の方へ振り向いた瞬間、体を固まらせる。
「ええやんかぁ、望、たまにはみんなで浴衣を着て、ゆっくり祭りでも楽しもうで……」
しかし望はこういったお祭り事は好きではなかった。
そんな望のことを誘うのは、家に遊びに来ていた和也と雄介である。
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一方、裕実は望同様にそんなにお祭りは好きではないのだが、和也と行くとならば着いて行くというタイプで和也と雄介の様子を見ているだけだった。
「望は行かんのかいなぁ」
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「ホント、ホント……」
そう雄介の言葉に付いて来たのは和也だ。
「いいんだよー。 俺は別にインドア派でさ……」
どうやら望は頑として行かないらしい。 そんな望の様子に和也と雄介は溜め息を漏らす。
「もう、ええわぁ……。 な、和也……俺達だけで行こう」
「じゃあ、浴衣に着替えて……」
「ええなぁ、浴衣に着替えたら、もっと、気分になるしな」
雄介はそう言うと、和也と裕実の背中を押しリビングを出て行く。
そんな雄介達に望は一人溜め息を漏らしながら外を見上げると、真っ暗な闇の中、大きな花火が上がり色とりどりの花が夜空を彩り始めるのだ。
しかし望には夏祭りにいい思い出はない。 小さい頃、親がいなかった望。 親とは行けず友達と祭りに行っていたのだが、やはり周りは家族連ればかりで寂しい思いをした覚えもある。 だから祭りというのが、あまる好きではなくなってしまったのかもしれない。
さっき雄介達はリビングから消えてしまっていたのだが、いきなりリビングのドアが開き、
「望、行くぞー!」
「ったく……お前なぁ、さっき、俺は行かないって言っただろ?」
そう大声で言う望だが、雄介達の方へ振り向いた瞬間、体を固まらせる。
「ええやんかぁ、望、たまにはみんなで浴衣を着て、ゆっくり祭りでも楽しもうで……」
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