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ー信頼ー119

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「和也の言う通りだと思いますよ。 朔望さんもですが、勿論、歩夢君も望さんの事を分かって上げた方がいいと思います。 望さんが朔望さん達に素直になれないのは、あまり、人と接した事がないからなんだと思いますよ。 確かに望さんは小さい頃、朔望さん達と一緒にアメリカに行かなかったのは、親とか朔望さんに対しては信用してなかったから心から話す事が出来なかったからなんじゃないんでしょうか? 望さんはよく昔の話をする時っていうのは『ばあちゃん』という言葉が沢山出てくるんですよね。 望さんはきっとおばあちゃまの事が本当に好きだったんでしょうね。 では、何故、望さんはおばあちゃまの事が好きだったんでしょうか? という事ですが、きっと、望さんのお話をおばあちゃまは聞いて下さっていたんだと思いますよ。 きっと、望さんはおばあさまには心開いていたからだったんだと思います。 それで、子供ながらに朔望さん達とアメリカに行ったって楽しくはないと思い、日本に残ったのでしょうね。 それで、今でも望さんはお父様や朔望さんには素直になる事が出来ず、反抗的で、心開く事はしないんじゃないんでしょうか? それに、朔望さんのそんな言葉では望さんの心なんて開かせる事なんて出来ませんよ。 ま、その態度も心を開いてくれない原因だと思いますけどね」

 そんな裕実の言葉に和也は目をパチクリとさせてしまっていた。 だって、そうだろう。 少なくとも、和也より後に望と知り合っていて、まさか、そこまで望の事を分析していたなんて事は思ってもいなかった事なのだから。

「お前よく、そんな短時間でっていうのか……俺より短い時間しか望といないのに、そこまで望の事、分析出来てるよなー。 つーか、俺よりか分析能力あるんじゃねぇのか?」
「それは、僕に対して望さんは沢山色んな事を話ししてくれるからですよー」
「あ、確かに……それはあるのかもな。 うんうん、俺よりも裕実には色んな事話してるような気がするしな」
「和也には話さないような事を僕には話ししてくれますからね」
「まぁ、それは知ってるんだけどさぁ。 なんでなんだろ? 俺なんかより裕実に話せる理由って……そこは、俺には分からないんだよなぁ」
「それは、和也は望さんの話に対してふざけたりするからなんじゃないんでしょうか?」
「あー、確かに、裕実は真面目に望の話聞いて上げてるもんな。 でもなぁ、俺だって、わりかし望の話し、真剣に聞いてるつもりなんだけどな」
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