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ー信頼ー94

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「もしかして、望って低血圧だったりしてなぁ」
「そうなのかもしれへんなぁ。 低血圧の人って朝弱いって言うしな。 せやけど、高血圧の人より低血圧の人っていうのは特に問題無いらしいで……」
「なら、望の寝顔を覗いて来るのもいいんじゃねぇのか?」
「望の寝顔っていうのはしょっちゅう見ておるしな。 望より先に起きてる事多いし」
「そっか……なら、そこで大人しく待ってるしかないみたいだよな?」
「ほな、洗濯は?」
「ん? それは、裕実がやってるー」
「ほなら、やっぱ、やる事ないんかいなぁ。 確かに家事っていうのは分担してやるって決めたんやから、流石に俺等がやらない訳にはいかんやろー?」
「それなら、日交代でやるか? 今日はとりあえず俺達がやってるから、明日は雄介達とかさぁ」
「あー! それなら、ええわぁ。 そうしよっ!」
「ああ、そうしたら、明日の朝っていうのは俺達の方はゆっくり起きて来てもいいって事でイチャイチャするの決定!」
「まぁ、そういう事になるなぁ。 ほなら、今日はとりあえず俺はのんびりさせてもらうわぁ。 テレビでも見てるし出来たら呼んで……」
「ああ」

 そう言うと雄介はテレビがあるソファへと座り朝のニュース番組を見始める。

 暫くして裕実が洗濯物を持って庭へと向かっている途中で望も起きて来たのか、リビングへと入って来るのだ。

 そして望はリビングの引き戸付近に立って、和也と雄介の存在がいつもと反対だという事に気付き交互に不思議そうな表情で見つめていた。

「あ! 望さん! おはようございます!」

 とそこへ洗濯物を干し終えた裕実が部屋内に入って来て望の存在に気付いたようだ。

「あ、おはよう」
「どうしたんですか? さっきからキョロキョロとしてるみたいですが……」
「あ、いや……なんか違和感があるような気がしてな」
「それは和也が料理をしてて、雄介さんがソファに座っているからなんじゃないんでしょうか?」
「ん? あ、そうなのかもな」
「それは昨日話したじゃないですか? 家事は分担してやりましょう。 って……」
「あ、ああ、そうだったな」 
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