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ー信頼ー84

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「まぁ、そういう事やね。 しかし、ホンマに綺麗やわぁ」

 自然が作り出す神秘的な光景に言葉を失いながら見上げる。

 本当に凄い事や美味い物等を見たり食べたりした時というのは言葉にならない位という意味で言葉を失うという事なのであろう。

 そして自然いうのは神秘的な物を造り出す。 滝や山や川なんかもその自然が織り成す景色で自然が造り出すから素敵であって、これがもし人工的に造られた物ならこうも出来ないのかもしれない。 いや自然が造り出すからこそ神秘的に見えるのであろう。

 天の川というのは幾億という星が造り出す星の川。 『織姫と彦星』という話では七月七日の晴れた日にしか二人は会えないという話だ。 だが、その日に雨が降ってしまうと、その天の川というのは雨で水嵩が増すと橋が渡れなくなってしまい、織姫と彦星は逢えないという話だ。

「ホント、すっげぇな……確かに都会では夜景が星や宝石箱に見えるっていうけどさ。 やっぱ、本物と比べたら比べ物になんないっていうのかな? なんだろ? 自然が造り出すもんだからいいっていうのか……。 んー、まぁ、そういう事だな。 言葉にならないってある意味、こういう事を言うのかもしれねぇよな。 とりあえず、外に出てきて損はなかっただろ?」
「そうなんだぜー。 もう! 和也が慌てて部屋に来たもんだから何かと思ったけどさぁ。 まぁ、いいか……今日はいいもん見れたしな…」
「せやなー。 ホンマ自然っていうのは偉大って事やんなぁ。 いやー、しかし、ホンマここら辺っていうのは静かなんやな。 波の音しか聞こえてけぇへんしー」
「それに東京と比べたら気持ち的に涼しいのかもしれねぇよなぁ」
「そうそう! 東京の夏に比べたらホンマ全く違うっていうんかなぁ。 東京の夏っていうのはこうべた暑いっていう感じやんかー。 アレが嫌な感じにさせてくれるっていうんかな?」
「夏の東京っていうのはなー、湿気とかビルとかが沢山あり過ぎて土とかが無いからな。 木々とかも昔に比べたらめっちゃ少なくなったし、それで、コンクリートばかりの街になってしまったから、夏の太陽が昼間のうちにコンクリートを熱してしまって、それで、夜になっても、それが引かない為に夜も暑いままになってしまったって言ってたからな」
「ほな、東京もこの島みたく自然豊かだったら涼しいんやろか?」
「そうなんじゃねぇの? ただ、日本の中心部である東京をこの島のようにしちまったら、何も出来なくなっちまうんじゃねぇのか? 働く場所も無くなってしまう訳だし、それだと雇用が大変になっちまって経済が動かなくなっちまうんじゃねぇ? 逆に東京は東京であれがベストなんだと思うぜ。 のんびりとしたければ、こうして、休みの日を使って旅行とかすればいい訳だしよ。 さて、そろそろ部屋に戻ろうぜー、風呂に入らなきゃなんないしさぁ」
「せやな……。 まぁ、今日はとりあえず望にすっぽかされて一人で入ったんやけどなぁ」
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