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ー信頼ー82
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雄介達はご飯を食べ終えると、
「俺、ちょっと電話してくるし、雄介達が先にお風呂入っててもいいぜー」
「ほな、そうするかぁ」
和也は携帯を持つと何故だが、外へと行ってしまう。
きっと和也という人間はそういう話を聞かれるのは好きではないのかもしれない。
「ほな、望、風呂行こうかぁ?」
「……って、今はお前一人で入って来いよー。 裕実を一人でリビングに置いておくのは可愛そうだろ?」
「あ! 成る程、そういう事な。 ほな、一人で行って来るなぁ」
きっと雄介は望のその言葉で望が言いたい事がわかったのであろう。 それに気付くと今日は一人お風呂場へと向かうのだ。
リビングに残された望と裕実。
だが二人共、話し下手だ。 だからなのか二人はテレビの方に視線を向けているだけだった。
「あ、あのさぁ」
そう最初に口を開いたのは望で、
「今まで、和也と雄介が親の事言ってたんだけどさ、その……お前のお父さんの話は聞いた事あったんだけど、お母さんの方は聞いた事なかったなーって思ったんだけど?」
そう望は少し遠慮気味に聞いてみる。
確かに前に和也が裕実の過去について話してくれた事はあったのだが、それは父親に虐待を受けていたっていう事だけで、母親の事は聞いた事がなかったようにも思える。
「どうなんでしょう? 僕が物心付いた時にはもう母親はいなかったですからね。 もしかしたら、お父さんが嫌で出て行ってしまったのかもしれませんよ。 本当に僕は実琴君の事、あんまり知らなかったですからね。 その辺の記憶はもう無いっていうのか、もしかしたら、僕にとって精神的に嫌な記憶になる事ですから、その部分だけ記憶を無意識に消してしまっている可能性もありますしね。 なので、母親の事は覚えてないんですよね。 だから、実琴君が現れた時に無意識のうちに『実琴君は兄弟なんかじゃない』って答えてしまっていたのかもしれませんよね」
その話を聞いて、やはり人の色々な事を聞いてはいけないんだと思う望。
「あ、悪ぃ……聞いちゃいけないような事を聞いちゃったみたいでさ。 そうだよな……やっぱ聞いていい事と悪い事っていうのは人によってあるんだよな。 ホント、話し下手でゴメン……和也ならきっとこんな事、聞かないんだろうけどさ」
「俺、ちょっと電話してくるし、雄介達が先にお風呂入っててもいいぜー」
「ほな、そうするかぁ」
和也は携帯を持つと何故だが、外へと行ってしまう。
きっと和也という人間はそういう話を聞かれるのは好きではないのかもしれない。
「ほな、望、風呂行こうかぁ?」
「……って、今はお前一人で入って来いよー。 裕実を一人でリビングに置いておくのは可愛そうだろ?」
「あ! 成る程、そういう事な。 ほな、一人で行って来るなぁ」
きっと雄介は望のその言葉で望が言いたい事がわかったのであろう。 それに気付くと今日は一人お風呂場へと向かうのだ。
リビングに残された望と裕実。
だが二人共、話し下手だ。 だからなのか二人はテレビの方に視線を向けているだけだった。
「あ、あのさぁ」
そう最初に口を開いたのは望で、
「今まで、和也と雄介が親の事言ってたんだけどさ、その……お前のお父さんの話は聞いた事あったんだけど、お母さんの方は聞いた事なかったなーって思ったんだけど?」
そう望は少し遠慮気味に聞いてみる。
確かに前に和也が裕実の過去について話してくれた事はあったのだが、それは父親に虐待を受けていたっていう事だけで、母親の事は聞いた事がなかったようにも思える。
「どうなんでしょう? 僕が物心付いた時にはもう母親はいなかったですからね。 もしかしたら、お父さんが嫌で出て行ってしまったのかもしれませんよ。 本当に僕は実琴君の事、あんまり知らなかったですからね。 その辺の記憶はもう無いっていうのか、もしかしたら、僕にとって精神的に嫌な記憶になる事ですから、その部分だけ記憶を無意識に消してしまっている可能性もありますしね。 なので、母親の事は覚えてないんですよね。 だから、実琴君が現れた時に無意識のうちに『実琴君は兄弟なんかじゃない』って答えてしまっていたのかもしれませんよね」
その話を聞いて、やはり人の色々な事を聞いてはいけないんだと思う望。
「あ、悪ぃ……聞いちゃいけないような事を聞いちゃったみたいでさ。 そうだよな……やっぱ聞いていい事と悪い事っていうのは人によってあるんだよな。 ホント、話し下手でゴメン……和也ならきっとこんな事、聞かないんだろうけどさ」
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