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ー信頼ー71

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 望は今までの不安をぶちまけるかのように、雄介に自分の思いを伝えるのだ。

 そんな望の言葉に雄介は微笑み、

「大丈夫やって、このままずっと望の事を俺は好きで居るし、離れようとは思わん……だから、安心してな。 俺は俺でホンマ望の事好きでおるしな」
「……男の事を好きになっちまう俺って変なのかな?」
「別に変じゃないやろー? 世の中には色々な人が居る訳やし、人それぞれやって……。 もしかして、その事も不安要素やったんか? そんなん言うたら、俺もそうやんか。 そないな事でもう不安になる事なんかないからな、俺は望の事は本気やし、遊びで付き合い始めたって訳でもないしな。 せやから、将来の事も考えて医者になったんやし、確かに俺達っていうのは男同士だから結婚するって事は出来へんけど、同棲までは今の世界では許されておるやろ? 俺はそれでずっと望と一緒に居られるんやったら、いいって思ってるしな」
「……俺さ……初めはお前の事を嫌いだったんだよ」

 その雄介の言葉で何かを思い出したのか、望は初めて雄介に会った頃を思い出したようだ。 そしてクスリとし雄介の事を見つめる。

「まぁ、そこはな……俺が悪かったし、まぁ、望の事を女医さんと間違えたからそうなってしまった事やったしな」

 雄介は場の雰囲気を考えて若干ふざけて言ったつもりだったのだが、望の痛い視線に気付き。

「あー、スマン……話の骨を折ってもうて……ほんで?」

 望は雄介の視線から離すと、やはり恥ずかしかったのか、今度は俯きながら語り始める。

「だけど……よく分からなかったんだけどさ、雄介から告白された後、確かに考えたんだけど、なんかこう答えたくなっちまったんだよなー。 初めは『試しに、男と付き合ってみたら、どんな感じなんだろ?』っていう興味からだったんだけどさ……だけど、付き合っているうちに俺の方が段々とお前の事を好きになってたんだよな。 そん時、和也からも告白されてたんだけど、なんか違う感じがしてたんだよなー」
「そっか……それなら、良かったわぁ。 俺だけが望の事を好きやって事になってなくてな。 それにな……今更、望と別れてもうたら、医者になった意味も無くなってまうしなぁ。 俺が医者になった理由っていうのはホンマにホンマ望の為でもあったしな。 ずっと、望の側働いておれるし、医者っていうのは、多分、消防士より死亡率っていのは低そうやったしな。 それで、望にも心配掛けんで済むし、それで、望の為に医者になる! って決めたんやからな。 確かに望は俺が医者になるって事を反対しておったけど、それでも、ホンマに俺は医者になって望の側でずっと居りたかったし望の助けになればとも思うとったしな」
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