1,992 / 2,140
ー信頼ー53
しおりを挟む
今まで酸素が体中を巡ってなかった蒼空。 未だに意識朦朧としている中、雄介の方へと視線を向けて来る。
そして意識が回復して来た頃だろうか急に蒼空は顔を歪ませ、
「……痛っ」
「痛い!?」
その蒼空の言葉に、雄介は蒼空の体を見渡す。
すると今までは蒼空を救出するっていうだけで精一杯だったからか、雄介はある事を見落としていたらしい。
そう足にも深い傷を負っていたのだ。 足からは未だに出血しているらしく、蒼空が溺れた理由が分かったような気がする。
雄介は和也に向かってシャツを脱ぐように促すと、そのシャツでとりあえず応急処置を行い軽く止血し、今度は蒼空の事を背負い診療所の方に向かい走り出す。 それと、ほぼ同時に和也も走り出したのだが、雄介の方は蒼空を背負っているのにも関わらず和也よりも断然走るのが早かった。
「チェッ! 俺ってば走るの得意な筈だったのに、流石は雄介だよな」
と走りながら独り言を漏らし、和也も診療所の方へと向かうのだ。
そして和也が診療所に着いた頃には、雄介は海の場所から走って来たのにも関わらず息も乱さず蒼空の診察をしている姿が目に入って来る。
「とりあえず、こん位深い傷だと縫っておいた方がええのかもしれへんね。 蒼空、もうちょっとだけ痛いの我慢しててな、今すぐに治したるからな」
そう雄介が顔を上げると和也が視界へと入って来たのか、雄介は和也の側へと向かうと、
「なぁ、和也……とりあえず、蒼空なんやけど、足の骨とかは折ってなかったみたいやし、そこはな大丈夫なんやけどなぁ。 出血が酷いねんて、ちょー、輸血位はせんとまずいのかもしれへん。 せやから、俺が縫っている間に血液調べてくれへんかなぁ? そういう時の為に、この診療所には手術室とかその他色々と治療する為の道具もあんねんからなぁ」
「だけど、それは望じゃねぇと……」
「あ、そうやったなぁ。 って、望、大丈夫なんかな? とりあえず、大丈夫そうやったら、望にも手伝ってもらった方がええねんけどな」
そう二人は蒼空には聞こえないような声で相談し、和也が診察室を出ようとした直後に望が診察室へと入って来るのだ。 それに気付いた雄介は、
「望……大丈夫なんか?」
「……って、下でバタバタと音が聞こえて来たから、何かあったのかと思ったんだよ。 何で雄介が下着一枚で、この診療所にいるのか? っていうのはまとめて後から聞くから、とりあえず、雄介は服を着て来い! ここは診察室なんだからな」
「あ、スマン……。 とりあえず、俺は着替えて来るわぁ」
そして意識が回復して来た頃だろうか急に蒼空は顔を歪ませ、
「……痛っ」
「痛い!?」
その蒼空の言葉に、雄介は蒼空の体を見渡す。
すると今までは蒼空を救出するっていうだけで精一杯だったからか、雄介はある事を見落としていたらしい。
そう足にも深い傷を負っていたのだ。 足からは未だに出血しているらしく、蒼空が溺れた理由が分かったような気がする。
雄介は和也に向かってシャツを脱ぐように促すと、そのシャツでとりあえず応急処置を行い軽く止血し、今度は蒼空の事を背負い診療所の方に向かい走り出す。 それと、ほぼ同時に和也も走り出したのだが、雄介の方は蒼空を背負っているのにも関わらず和也よりも断然走るのが早かった。
「チェッ! 俺ってば走るの得意な筈だったのに、流石は雄介だよな」
と走りながら独り言を漏らし、和也も診療所の方へと向かうのだ。
そして和也が診療所に着いた頃には、雄介は海の場所から走って来たのにも関わらず息も乱さず蒼空の診察をしている姿が目に入って来る。
「とりあえず、こん位深い傷だと縫っておいた方がええのかもしれへんね。 蒼空、もうちょっとだけ痛いの我慢しててな、今すぐに治したるからな」
そう雄介が顔を上げると和也が視界へと入って来たのか、雄介は和也の側へと向かうと、
「なぁ、和也……とりあえず、蒼空なんやけど、足の骨とかは折ってなかったみたいやし、そこはな大丈夫なんやけどなぁ。 出血が酷いねんて、ちょー、輸血位はせんとまずいのかもしれへん。 せやから、俺が縫っている間に血液調べてくれへんかなぁ? そういう時の為に、この診療所には手術室とかその他色々と治療する為の道具もあんねんからなぁ」
「だけど、それは望じゃねぇと……」
「あ、そうやったなぁ。 って、望、大丈夫なんかな? とりあえず、大丈夫そうやったら、望にも手伝ってもらった方がええねんけどな」
そう二人は蒼空には聞こえないような声で相談し、和也が診察室を出ようとした直後に望が診察室へと入って来るのだ。 それに気付いた雄介は、
「望……大丈夫なんか?」
「……って、下でバタバタと音が聞こえて来たから、何かあったのかと思ったんだよ。 何で雄介が下着一枚で、この診療所にいるのか? っていうのはまとめて後から聞くから、とりあえず、雄介は服を着て来い! ここは診察室なんだからな」
「あ、スマン……。 とりあえず、俺は着替えて来るわぁ」
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる