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ー信頼ー27

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「……ってなぁ、お前……」

 きっと和也が友達でなければ、怒っていたのかもしれない。 とりあえず和也は友達だからセーフだったという所だろう。 雄介は一旦自分の事を落ち着かせると、

「……で、他の写真は?」
「ん? 望がちゃんと保管してくれてんじゃねぇのか? その他の写真ってのは、火事場での雄介の勇姿とかの写真もあるんだぜ。 まぁ、今回、望が財布の中に入れて置いた写真っていうのはコレだったからな」

 雄介は何も感じてないであろう和也のその言葉に呆れたようなため息を吐くと、

「ほなら、明日は診療所というのか、診療所の隣にある俺達の家に来てくれたらいいし、そしたら、今後、ちびっこ消防団について話し合ったらええねんやろ?」
「うん!」

 蒼空を含め、他の男子達も頭を頷かせる。

 それから雄介達は子供達と遊んだ後に診療所の方へと戻って行くのだ。

「ちょ、和也……さっきの写真ってどういう事やねんなぁ」

 そう雄介にしては珍しく気持ち的に和也に怒っているのか低い声で問う。

「それは、さっき言っただろ? 望の為にお前を隠し撮った写真なんだって……。 望の性格からしたら、雄介の事なんか自分から撮るなんて事はしないだろうから、俺がこっそり沢山撮っておいたって訳」
「まぁ、確かにそうなのかもしれへんけどな。 ほんで、その写真っていうのはどれ位あるん?」
「んー、かなりあるんじゃねぇのかな? 下手するとアルバム一冊分とかか?」

 雄介は和也のその答えに更にため息を漏らす。

「ま、そこは和也だったから良かったっていう話なんやけど……。 ホンマ、一瞬焦ったんやからなぁ。 あの写真見るのは初めてやったし、ストーカーか何かに撮られたのかと思ったし」
「そこは、望が雄介に説明しなかったってだけだろ?」

 そう二人が話しながら診療所の方へと戻って来ると、今日は望に怒られる前にお風呂場へと向かいシャワーを浴びている頃、望と裕実はリビングでテレビを見ていた。

 雄介はお風呂から上がると、さっき和也が持って来た写真を持って望の所へと向かうのだ。

「なぁ、この写真は望が持っておったんやろ?」

 雄介が望の前に持って来たのは、さっき和也に渡した写真だ。

 それを目にした瞬間に望は顔を赤くし、雄介から視線を逸らす。

「あ、ああ……まぁな……って、それは、和也に無理矢理渡されたもんだしよ」
「それな……全部、和也に聞いたんやけど、その他の写真もあんねんやろ? それはちゃんと持ってるんか?」
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