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ー希望ー85

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  雄介はそのアナウンサーが読み上げてくれた言葉で、素早くご飯を食べ終えると、

「とりあえず、俺、小児科病棟に行って名簿見て来るわぁ。 それから、姉貴のとこに行って来るし」
「ああ、俺も食い終わったら行くからよ」

 雄介は望に向かいそう言うと、まずは小児科病棟へと向かいナースステーションへと向かうと名簿を見るのだ。

 するとそこには琉斗の名前があって、そこに安堵のため息を漏らす雄介。

 そして琉斗がいる病室へと向かう。

「あ、雄介おじさん!」
「なんや、良かったわぁ、無事やったみたいでな」

 雄介は琉斗の無事を確認すると、安心したような表情を浮かべる。

「ねぇねぇ、雄介兄ちゃんは医者になったんでしょ? だったらママに会わせてよ。 昨日からママと会わせてもらえなくて……」
「あ、琉斗は子供やから、小児科病棟やったんやな。 ほな、ママんとこ行こうか? 今から行くとこやったし」

 琉斗は足に包帯が巻いてあるところを見ると、あの事故で足を骨折しただけで済んだのであろう。

 雄介は琉斗のことを抱き上げ、今度は外科病棟へと向かいナースステーションで病室を確認すると、美里がいる病室へと向かう。

 病室に入ると琉斗は雄介の腕の中から離れ美里がいる場所へと足を引きずりながら向かうのだ。

「雄ちゃん……。 あ、そう言えば今雄ちゃんはお医者さんだったのよね。 まさか、飛行機事故に巻き込まれるなんて思ってなかったわよー」
「そうみたいやな。 昨日の事故現場の方に俺達も行ってたんやけど……。 まさか、姉貴達が巻き込まれているなんて思ってなかったしな。 多分そこは俺等が担当してなかったからテレビ見るまで気付かなかったんやけど」

 雄介は背後に気配を感じ後ろを振り向くと、そこには雄介の父親が立っていた。

 それを見かけた雄介は、思わず、

「……親父!?」

 と口にしてしまっていたのだ。

「そんなに驚くことはないだろ? 私は昨日事故にあった娘の見舞いに来ているのだから……」
「せやけど、面会時間って?   十四時からやったような」

 そう半分独り言のように漏らす雄介なのだが、すぐに切り返し今度は父親の方へと再び視線を向ける。

「昨日、事故に遭ったばっかりで私は美里の身内だからね……入れてもらったのだよ」

 雄介は突然の父親にすっかり頭から、そういうことが抜けていたのか、その話を聞いて一人納得したようだ。
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