【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー希望ー66

　雄介は目を覚ますと、いつものように朝ご飯を作りに向かう。

「今日は目玉焼きにするかなぁ？」

　そう独り言を漏らすと、スーツへと着替え料理を作り始めるのだ。

　すると三十分もしないうちに望も下へと降りて来て雄介はその気配に気づき、

「体調の方は大丈夫か?」
「ああ、何とかな。　昨日は早引きしちまったし、大丈夫だから、今日は仕事に出ないとな」
「せやな……。　あ、せやせや！　坂本の病気が分かったで！」
「そっか……それなら、良かったな」

　雄介は作り終えた朝食をテーブルへと並べると、

「昨日、望が寝てからパソコンで調べておったんやけど、症状が当てはまるもんがあったんや……。　『咳喘息』ちゅうやつと違ゃうかなぁ？」

　望はクスリとすると、

「よく、そこまで調べ上げたな。　普通の医者でもまだ咳喘息は診断し辛い病気なんだぜ……」
「ってことはビンゴってことか?」
「まぁ、そういうことだな。　後は坂本さんにそれを伝えて、薬を渡して酷くならないようなら、退院させても大丈夫だからな。　まぁ、通院は免れねぇけど。　後は内科の仕事になるし。　それを内科医に伝えるのも忘れるなよ」
「分かった……。　ほな、今日は俺は坂本にそれを伝えるな」
「ああ」

　二人は食事を終えると車で病院へと向かう。

　すると今日、先に来ていたのは和也でソファに座っている姿が目に入るのだ。

「珍しいなぁ、お前が先に来てるなんてさ」
「昨日は裕実が夜勤だったからさぁ、暇だったから先に来て裕実と話をしてた訳ー」
「なるほどな。　そっか、裕実は昨日は夜勤だったのか……」

　そう望は言うと、雄介と一緒にロッカールームへと向かい着替えに入る。

　望は和也とはロッカールームに入ることはないが流石に雄介となら入るのであろう。

「さて、仕事するかー。　とりあえず、和也は雄介と一緒に坂本さんのとこに行ってくれないか?   雄介が坂本さんの病状が分かったみたいだからさ」
「はーい。　望は行かないのか?」
「大丈夫。　朝、確認したからさ」
「そっか、分かった」

　雄介と和也は坂本のカルテを持つと坂本の病室へと向かうのだ。