【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー平和ー42

「ま、正確には僕達兄弟の時間を埋めたいんだよね」
「それならええやんかぁ。　別に望のことを好きだとか、抱くとか考えなくても……」
「普通はそうなんだろうけど。　僕の場合にはそうは行かないんだよね。　僕は毎日のように寝る前に兄さんのことを思いながら、兄さんのことを襲ってるよ。　それ位に兄さんのことが好きなんだよ」
「せやけど、兄弟やろ?」
「桜井さんだって、それは言えなくない?   桜井さんと兄さんは男同士っていう関係なんだから……世間では認められてはいない関係な訳だし。　それに、男女同士なら、浮気とかしたら関係が壊れてしまうかもしれないけど、男同士なら、周りに認められていない訳だし、何人恋人が居ようと関係なくない?」
「違ゃう！　違ゃう！　違ゃう！　絶対にそれは違ゃう！　例え男同士で付き合っていても、恋人がおって、もう一人相手がおったら、それは立派な浮気や！　浮気！　逆に言うけどなぁ、抱くっていうだけが恋人っていう訳やないで！　男女同士の恋人のように、お互いに支えあって、お互いの幸せを祈ったりして、寧ろ男女のカップルより絆とか強いもんやと思うしな。　抱くなんてことは二の次やからな！」

　そんな雄介の後に望も真剣な瞳で朔望の方に顔を向け、

「雄介の言う通りだよ。　俺は大学の時に女性と付き合ってみた時があったけど、その女性は雄介とは違うんだよ。　相手のことを支えるとか幸せを祈るとかってのはなかったからな。　俺は雄介から恋人同士って、お互いのことを知って、お互いのことを想うってのを教わったしな。　じゃあ、お前にはそんなことを俺に出来るか?   ただ抱きたいだけなら本当、俺に近付くのは辞めてくれ！　そんなことはもううんざりなんだからよ！」
「そこまで、言うんだったら、僕が兄さんのことを幸せにして上げるよ。　それなら、桜井さんは文句ないんでしょ?   なら、兄さんと付き合わせてよ」

　せっかく雄介と望がそこまで言ったのに、本当に望達が言いたい事が分かっているのか、いないのか、そこの所はまだ分からないのだが、朔望は望と付き合うということを言っている。

　雄介と望は目を丸くしながら視線を合わせると、溜め息を吐くのだ。