【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー決心ー71

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「せやねぇ……ほんなら、望は折りたたみ系でも、色々選んでおいてな。 ほんで、その中から、機能とかに関しては俺が選ぶしな」
「ああ、分かった!」

 望はそう言うと、今度は色を重視として探し始める。

 折りたたみ系と決まれば後は色とかだからだ。 折りたたみ系の携帯といえば、どれも似たり寄ったりの携帯でもある。 それなら色を選んだ方がいいのかもしれない。

 携帯の色も昔に比べれば沢山増えたのだが、そうと言っても今でも主力なのは黒色と白色は大抵入っている。 他の色には機種により灰色があったり、赤色やピンク色があったりする位であろう。 今でも携帯の色に関してはそんなに種類が出ている訳ではない。 ごくたまに緑色があったり紫色があったりする位なのだから。

「んー、そうだなぁ、前の携帯は白色だったから、今度は黒色にしようかなぁ?」
「黒色にするんか? なんか望っぽくないって言えば望っぽくないんやけど……」
「だけど、白色や黒色の他に何か俺っぽい色があるか?」
「せやねぇ……? シルバーとか灰色やと、オッサンっぽいしなぁ、思い切って赤色とか緑色とかはどや?」
「流石に、それは似合わないと思うんだけどなぁ」
「ほんなら、白色か黒色しかないんかぁ」
「仕方がねぇか……なら、黒色にするかな?」
「ほな、俺は赤色かな?」
「お前って、赤色好きだよなー。 前の携帯もそうだっただろ?」
「せやけど、前とはデザインとか違うしー、何か赤色ってかっこええやんかぁ」
「え? あ、まぁ……そうだけどよ。 でも、お前が赤色の携帯を持っていてもあまり違和感がないからいいよなぁ」
「そうか? ま、意識したことがないところかな? 望がそれでええって言うんやったら、赤色でええし」
「じゃ、俺は黒色でお前は赤色な」
「それで、ええよ。 機能も問題ないようやしな」

 二人はそう決めると、カウンターへと向かい機種変の手続きを済ませる。

 そして三十分時間が空いている間に二人は繁華街へと出るのだ。

 流石は日曜日っていうのだけあるのであろうか。 本当にこんなにも人が居るという位に繁華街は混雑している。

 人がすれ違うのがやっとの繁華街。 望は雄介の直ぐ後ろを追い掛けるように歩いているのだが、こう雄介と離れてしまい迷子になりそうな位に人がいる。

 そんな人混みの中、雄介と望に女の子からの視線が集まって来ているのは気のせいであろうか。

 確かに雄介はこう女性の視線を集めてしまうオーラというのか、かっこよさというのか、爽やかさというのか、芸能人ではないのにも関わらず、こう注目を浴びる人間なのかもしれないのだが。 そう女性からしてみたら、昔からよく言われている、カッコいい身長があるに合致しているのだから注目の的になってしまうのは仕方がない事なのかもしれない。

 雄介はそんな視線に気付いているのか気付いていないのか分からないのだが、その繁華街を何もないかのように突き進む。 きっと、さっき望と約束していた洋服屋に向かっているからだ。 望の方もそんな視線に気付きながらも雄介の背中を追ってないと逸れてしまう可能性があるのだから、そこに必死に追い掛ける。

 視線だけではなく、やがて女性達の会話も望の耳に飛び込んで来たみたいで、望の方はあまりいい表情ではなくなってきたようだ。
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