【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー天使ー122

「はい！　分かりました！　僕に望のことは任せて下さい！」

　そう和也は言うと少し申し訳なさそうな声で、

「望の性格を変えることは出来たのは本当は雄介なんですけどね」
「確かにそうかもしれないけど、君も望のことに関してはフォローしてくれているんだろう?」
「まぁ……一応は……。　それを望がどう思っているかは分かりませんけどね」
「じゃあ、和也君、望のこと、宜しく頼むね」

　裕二はそう言うと、その場から去って行ってしまう。

　和也は裕二の後ろ姿を見ながら、

「やっぱり、凄いよなぁ、お前の親父さんって……。　何か、何もかもお見通しって感じだしよ」
「あ、ああ、まぁ、そうだな」
「何か、羨ましいなぁ、親父さんが居るって。　前にも言ったけどさぁ、俺には親父がいなくて母親に育てられたから、親父ってのを知らないんだよ。　もし、俺に親父が居たら、俺の親父もあんな感じだったのかなぁ？」

　和也の言葉に望は何か聞きたそうな顔をしていたのだが聞いていいのか迷っているようだ。

　和也の言葉に対し何も言わない望に和也は不審に思ったのであろうか和也は歩きながらも望の顔を覗き込む。

「わぁ！　なんだよー！　いきなり、顔を近付けてきてー」
「望が俺に何か聞きたそうだなぁーって思ってよ」
「え！？　あ、まぁ、な……」
「ま、聞きたいことは分かるけどさぁ。　俺は別にそれを聞かれても今は大丈夫だぜ」
「そっか……。　ならさぁ、聞いてもいいかな？」

　望は少し遠慮がちに和也に言うのだ。

「ああ！　大丈夫！」
「じゃあ、あのさ、前から確かに和也には親父がいねえって言っていたけど……いつからいなかったんだ?」
「それは……本当に小さい頃なんだけどさ。　俺が小学校に上がる前かなぁ？　事故で親父を亡くしてるんだよ……しかも、最悪なことに、そん時、俺も親父と一緒だったんだー。　あれは、親父が車で俺を保育園まで迎えに来た帰りにな。　俺だけは助かって、親父は死んだんだよ。　雪で路面が凍結してて、それで車はスリップして、車が壁にぶつかりそうになって、親父が俺のことを庇って死んだのさ。　誰かが助けに来るまでの間、俺は車の中で、親父に抱き締められていたんだけど、親父の体は段々と冷たくなっていっちまったんだよな」

　和也は一息吐くと、