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ー天使ー72

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「とりあえず、朝飯終えたし、俺達はこれで帰るな」
「え?   あ、おう……そうか。 って、思ったんやけど、今日はみんなで遊園地かなんかに行かへんか?   ほら、せっかくの休みやし、琉斗も暇だと思うしな」

 その雄介からの提案に乗ってきたのは和也である。

「お! それ、いいねー! たまには俺もそういうとこに行きたかったとこだし」
「和也! それは流石にダメですよー」
「何でだよー。 まさか、お前、遊園地が好きじゃないとか?   そういやぁ、お前、自ら、遊園地に行きたいって言ったことがなかったよなぁ?」
「違いますってば! 僕は和也が行きたいとこなら、何処にでも行きますけど、雄介さんは今日はまだ寝てないんじゃないかと思いましてね。 それが心配なだけですからね」
「……へ? あ! そうか……」

 和也は残念そうな表情をすると、また雄介の方へと向き直し、

「やっぱ、俺等は帰るな。 雄介は寝ないとヤバいだろうしさ」
「なんや、そんなことかいな。 俺の方は大丈夫やって! 俺は昨日、何も出動なかったし、しっかり、寝ておったから問題は無いと思うねんけどな」

 そう言う雄介に望は無言のまま立ち上がり雄介の傍まで行くと、

「本当に昨日は出動がなくて、夜はちゃんと睡眠がとれたんだな?」

 望はしっかりと雄介の瞳を捉えて視線を離さないように雄介のことを見つめる。

 その望からの痛い程の気迫に雄介は危なく望から視線を離そうとしたのだが、視線を外せば確実に嘘がバレてしまうに決まっている。

 そう雄介は琉斗のことを考え、たまには気分転換に遊園地にでも連れて行って上げようとしているのだから、今はその嘘を突き通さないとならないであろう。

 雄介は望のことを見上げると視線を離さずに話すのだ。

「なら、いいんだけど……」

 そこは直ぐに望は雄介から視線を離すと雄介の方へと振り返り、

「やっぱり、俺の目は誤魔化せねぇぜ。 上手く、今回は俺から視線を離さなかったみたいだけどよ。 普通にお前の目の方が『寝ていない』って言ってんだよ。 そんなに目を真っ赤にしてたら、流石に俺を誤魔化すことは出来る訳ねぇぜ」

 雄介はその望の言葉に一つ溜め息を漏らすと、
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