【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー天使ー21

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「ん? そうなのか?」
「そうなんですよー」

 裕実は望に向かい、ニコリとする。

「俺には、和也は琉斗に嫌われてるとしか見えねぇんだけどなぁ」
「子供の場合、確かに、ストレート言葉を出す場合と今の琉斗君みたく、知恵がついてくると、大人を試してくる子もいるんですよ」
「そうなんだな」
「僕や望さんの場合、琉斗君からして、『この二人には何を言っても自分の言葉とかを普通に言わないと通じない』とか思ってしまってるんでしょうね。 だけど、和也の場合は『何処までワガママが言える』とか確かめているんだと思いますよ。 子供は見た目では判断しないんですよね。 心の中を見てますからー。 大人は見た目で判断しがいがちですが……子供は心を見てるんです。 琉斗君からして、和也はきっと話をしても大丈夫なのか? と試してるんだと思いますよ」
「そうなんだー。 ま、いーや……とりあえず、俺達は先に店で席を取っておこうぜ」
「そうですね」

 二人は急いでお店の中へと入り、席へと腰を下ろす。

 それから、あまり時間が経たないうちに和也と琉斗はトイレから出てきたらしく、望達の姿を探しているようだ。

 和也は首を左右に動かし探しているのだから。

 そんな和也の姿に気付き、裕実は和也に向かい手を上げると、ようやく和也は望達が居る場所に気付き望達が居る席へと来るのだ。

「……で、何を頼んだんだ?」

 和也は望達が居る席へと来ると迷いもなく裕実の席の横へと腰を下ろす。

 だが琉斗はどうやら迷っているらしく望の顔と和也の顔を交互に見上げていた。

 その琉斗の様子に気付いた和也は琉斗に視線を合わせると、

「琉斗は望の隣りがいいだろ?」

 そう和也に言われたものの、まだ琉斗は迷っているのか首を横へと傾げ『んー、んー』とうなっていた。

「じゃあ、俺の隣りに座るか?」

 そう和也が質問しても琉斗は未だに首を傾げている。

「あ! 分かった! 誕生日席がいいんだな!」

 和也は琉斗が何を言いたいのかが分かったのか、大きな声と共に手を叩く。

「誕生日席ってなんだ?」

 そう和也に聞く望。
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