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ー過去ー162

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「あ、いや……そういう事じゃなくてな……雄介の意見を聞いてんだ」

 雄介はその望の真剣そうな表情に真面目な表情をすると、

「んー……俺はホンマに望の事が好きや。 せやから、色々な事はしたいと思うとる。 だから、俺としてのホンマの意見っていうのは、望にそれをしてもらいたいって所かな?」

 雄介は今の本当の気持ちを望へと伝えると諦めたかのようなため息漏らすのだ。

 そう雄介の性格上、優し過ぎるからなのか自分の事はあまり言わない方だ。 そう相手に合わせてくれているからなのかもしれない。

「なら、やってみる。 俺もお前の事が好きだから……お前から色々と教わりたいしな。 今まで、お前は俺に合わせてきてくれて我慢してるの知ってるからさ」
「ほなら、そうしてくれるか?」

 雄介は望に向かって笑顔を見せると望の方も笑顔になって頭を頷かせる。

 雄介の方はそんな望に安心したかのような表情を浮かべると、

「とりあえず、初めてやし……俺が少しリードしたるな」

 雄介は望の腕を引くと先ずは自分の上で望を跨がせるのだ。

「どや? 俺の上って」

 いつもやってる時とは違う位置。 いつもだったら雄介が望の事を下に見ているのだが今日は望が雄介の上にいるのだから望が雄介の事を下に見ている。

「……ってか、俺重くねぇのか?」
「全然軽いに決まっておるやろ? 毎日、片手で三十キロの重りを持って鍛えておるんやで……ま、重りやなくても装備だけで六十キロはあったかな? 望の体重もそん位やろ?」
「まぁな……」
「ほんなら、望一人位俺の上に乗っかったって平気やわぁ」
「そっか……」

 望はそう言うと雄介が今着ている洋服のボタンを一つずつ外していく。

 すると雄介の方は毎日のように鍛えているだけあってか胸やお腹にはハッキリと筋肉が出ている。

「すっげぇな……お前の体ってさ……」
「さっき、毎日のように鍛えておるって言ったやろ?」
「だけど、改めて見るとすっげぇなって思ってよ。 腹筋だって綺麗に割れてるしさ」
「これは毎日のように望為に頑張ってる証しやって」

 その雄介の言葉に首を傾げてしまう望。

「確かに……人を助ける為にって事もあるけどな……望の為にって言うたのは、ちゃんと鍛えて人を助けて、望の所に戻ってくるっていう意味やって」
「何だ……そういう事か」
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