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ー過去ー152

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 人の温もりがあるモノとは違う。 透明な液体は水音を立てながら、ゆっくりと望の中へと入っていくのだ。

「これで、全部入ったな」

 雄介は空になったチューブを望の中から抜いた途端に、突如、望にトイレのドアを閉められトイレから追い出される。

「ホンマ、ビビったわぁ。 ったく、この液体にどんな効果があるんやろうか?」

 雄介は空になってしまった容器をゴミ箱へと捨てた直後に雄介の携帯が鳴り響く。 そしてその携帯メールの内容は色々な道具に関しての事だった。 もちろん、このメールの主というのは和也だ。

 雄介は望がトイレから出てくるまでベッドの上にうつ伏せになって、その和也からのメールを読み始める。

「結構、使えそうな物がいっぱいあるやんか……。 聴診器を胸に当てて反応を診る? 診るやなくて、こういう場合には見るだったりしてなぁ」

 そう軽く突っ込み入れる頃には顔色を変えた望がどうやらトイレから出てきたようだ。

「なぁ、アレってどんな感じなん?」

 そう普通に質問したつもりだったのだが、望の方は直ぐに枕へと顔を埋め、

「恥ずかしくて、言えっか!」

 枕に顔を埋めてしまったのだからハッキリした声ではなくググもったような声だったのだが、どうやら雄介にはちゃんと聞こえていたようで、

「そないに恥ずかしい事なん?」
「当たり前だろ! それに、メチャクチャ腹が痛くなるんだからな!」

 望は顔を上げると怒ったような表情を雄介へと向けるのだ。

「スマンかった。 俺にはそういった知識がなかったばっかりに……痛い思い望にさせてまって。 でもな……和也がええって言うもんやから……使ってみたんやけど、望が嫌やって言うんやったら、今度から使わへんし」

 雄介は望の頭を優しくポンポンと撫でると望に向かい笑顔を見せるのだ。

 流石に謝られた上に笑顔で頭を撫でられてしまったら許さない訳もなく望は大人しくなってしまったようだ。

 雄介はベッドから半身を起こすと、

「さて、本番の方はこれからやで……今のはまだまだ下準備やったしな……」

 雄介は和也から貰ったメールの内容を頭に叩き込むと、

「ほなら、今日はこんな格好やし、定番中の定番……お医者さんごっこやな!」
「……って、お前が俺にさせた格好っていうのは、患者さんじゃなくて、ナースの方じゃねぇかよ」

 そう軽く突っ込みを入れる望なのだが、

「ほなら、タイトルっいうのは『医者とナースの危ない昼休み』っていうのはどや?」
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