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ー過去ー142

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 久しぶりに雄介に抱かれるっていう緊張感があるのか顔を真っ赤にしながら地下室へと連れて行かれる望。

 確かに雄介に抱かれるのは嫌ではないのだが、最初っから分かってて雄介に抱かれるのは変に緊張してしまっているのであろう。

 雄介は望の前を歩き望はその雄介の背中を見ながら地下室の方へと向かう。

 階段を降りて雄介はもう一つのドアを開けると手探りでスイッチを押し電気を点ける。

 地下室なのだから外の明かりは一切入って来ない所だ。 いくら電気は点いたとはいえ一階の部屋に比べたらそう明るくは感じない部屋だ。

 雄介は更に望の腕を引いてベッドの端に座らせると雄介はその横に望に寄り添うかのように横になる。

「ホンマ、こうして望とゆっくり出来るのは久しぶりやんな」
「まぁな。 俺達は忙しい仕事してんだから仕方ねぇだろ?」
「まぁ、そこはもう分かっておんねんけどな。 せやけど、まぁ、俺の方は望と一緒に居られるだけでもホンマ幸せや。 流石にあん時、望と離れる事になってもうた時には、俺やって、ショックやったんやで」
「俺はあん時、黙って大阪に行かれた方がショックだったけどな」

 その望の言葉に雄介は焦ったような表情をすると、

「ちょ、ちょー、望、その話は引っ張り出さんといてなぁ」
「……ってか、お前が出して来たんだろうが……」
「ま、まぁ……そうなんやけどな。 しっかし、誰なんやろうな? 俺の事、東京に戻してくれた人って……」
「あれ? 雄介は知らなかったんだっけ? 雄介の事、東京に戻してくれたのは俺の親父なんだけど。 親父が言ってたんだけどさぁ、消防庁に知り合いがいるだとかで、その人と話をして雄介を東京に戻してくれたんだってさ」
「そうやったんか!? それって、まさか、ウチの親父やないやろな?」
「流石に俺もそこまでは聞いてねぇよ。 もし、そうだったらある意味怖いけどな」
「せやな……親父が知り合いで俺達が恋人同士ってな」
「でも、ちょっと待てよ。 流石に小さい頃で記憶なんかねぇけど、アルバムにさ……消防署に見学に行った写真があって、俺があんま知らない子と写ってる写真があったんだよな?」
「……それって、ホンマか!?」
「ああ、ちょっと待っててくれ……今、持って来るからさ」
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