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ー過去ー135

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 望はそう言うと雄介の方へと体を向け、

「お前はさぁ、和也じゃないんだから別に人の真似しようとしなくてもいいんだと思うぜ。 お前はお前の性格でいいんだしな。 寧ろ、俺はお前の事も好きだけど、性格だって好きなんだからよ。 だから、そこは無理しなくてもいいんじゃねぇのかな? まぁ……そのままのお前が俺は好きなんだからな」

 その望の言葉に雄介の方は再び明るい顔になると、

「今日の望に『ありがとう』って、何回言うても足りん位やわぁ。 ホンマにありがとうな」
「そりゃな……誕生日二日前にしてお前と喧嘩なんかしたくねぇしさ」
「せやな……後、二日位やし、喧嘩の方は我慢やな。 とりあえず、後一日仕事を頑張ろう! ってなるな」
「そだな。 明日が終わればだもんな」
「よっしゃ! 今日はもう寝ような」
「そうだな」

 雄介は電気をリモコンで消すと望の体を包み込むように抱き締め二人はそのまま夢の中へと落ちて行くのだ。



 次の日の夕方。 望達が仕事を終えると望と裕実は望の車で望の家に向かっていた。

 和也の方は、昨日、約束していた通りに朝のうちに実琴と約束していたらしく今は実琴と一緒にいた。

 和也は実琴の事を車へと乗せると車を走らせドライブ感覚でその辺を走り始める。

 そして、こう切り出すのだ。

「やっと、二人きりに話せるようになったな。 どうなんだ? 今の職場は充実しているのか?」

 そう最初はありきたりな質問をする和也。

「和也と話せるのは初日以来だね。 しかも、吉良先生とじゃなくて何で新城先生と一緒に仕事するようになったの? 新城先生も言ってたよ……『あの梅沢さんが何で私と一緒に仕事をするっていうのがあり得ない』ってね。 だって、和也は新城先生に告白されて断っていて、それからは新城先生にはあまり近付いてなかったのにね。 まだまだ、和也には質問したい事がいっぱいあるんだけどさ。 ま、とりあえず、一番気になっていた事を聞いてみたんだけどね」

 そうだ。 確かに一番痛い所を和也からしてみたら突かれて来ているのかもしれない。 和也はこのピンチをどう切り抜けるのであろうか。

 それとも……?
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