【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
1,344 / 2,140

ー過去ー86

しおりを挟む
 和也はその裕実の言葉で半身を起こすと裕実や望の予想とは反し、和也は優しくきつく裕実の体を抱き締めるのだ。

「ちょっと! 和也ー、病気なんじゃないんですか?」
「……へ?」

 その裕実の言葉に驚いたのは逆に和也の方だ。 だからなのかこう目をパチクリとさせながら和也が裕実の事を見つめる。

「……ん? 和也……それって?」
「え? へ? ちょ、俺の方が意味分からねぇんだけど? 誰が病気だって?」
「和也が……?」

 裕実のその言葉に和也は未だに首を傾げてしまっている。 だが数分もしないうちに和也はこの勘違いしている意味が分かったのであろうか和也は人差し指を立てると、

「分かった! あー! そういう事だったんだな。 お前と望が勘違いしてるって。 だから、そう思ったって事なんじゃねぇの?」

 和也の方は理解したらしいのだけど未だに裕実の方は理解していなく首を傾げたままだ。

「じゃあ、どういう事なんです?」
「多分、言ったら、お前は怒るかもしんねぇんだけどさ……そこは怒らないで聞いてくれるか?」

 更にその和也の言葉に首だけを傾げる裕実。

「もう! 分かりましたよ! 言って下さい」
「だからだなぁ。 今さっきの俺の行動っていうのはさ、俺からしてみたらある意味、俺の計画だったって訳。 そうそう! 裕実と二人きりになるな。 だから、いつもとは逆の行動を取ったって訳なんだよ。 そしたら、見事にお前と二人きりになれたって訳かな?」
「あ!」

 やっと今の和也のヒントで裕実の方も今までの事が分かって来たのかもしれない。 だが、さっき和也には怒らないでと言われているのだから、とりあえずは怒らずに呆れたような表情で和也の事を見上げる裕実。

「とりあえず、後で望さんに謝っておいて下さいね。 きっと望さん今頃、和也の心配していると思いますから。 だって、和也がそんな態度だったんで望さんは和也さんが病気なんかじゃないか? って心配しちゃって下さったんですよ」
「分かったよ。 明日な明日。 今はとりあえずお前とイチャイチャしてぇからなぁ。 それと、本当は俺さっきから嫉妬してたんだぜ。 裕実と望が仲良くしてる姿にな。 だからさ、裕実の事、たまには独占したい! って思っちまったんだよ。 だから、こんな事しちまったんだからよ」

 裕実は再び和也の言葉にため息を漏らすのだけど今のため息というのは複雑なため息だったのであろう。

 望には今日、雄介がいなく寂しいのだろうが確かに和也も目の前に恋人がいるのにイチャイチャな事なんか出来なく寂しい思いをしていたのだから。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

処理中です...