1,331 / 2,140
ー過去ー73
しおりを挟む
「まぁ、駄菓子屋さんに貢献したって事でいいか」
「とりあえずそういう事にしといてくれよ。 今の時代っていうのはさ、こういう店っていうのは減って来ているんだし、たまには貢献しないとだろ? じゃないと本当になくなっちまうからさ」
「まぁな……」
「だけど、俺等の小さい頃に比べてだけど、高くなった気がすんだよなぁ」
和也は歩きながら今駄菓子を持っている袋を掲げる。
「前に十円で買えてたお菓子が今じゃあ二十円になってたりしてんだぜ」
「そうだったのか!?」
「ああ、小さい頃っていうのは、やっぱり、お小遣いの中で買わなきゃいけなかったらさ、それぞれの値段を覚えてたもんだからな」
「まぁ、確かに……小さい頃はお小遣いの中からってやるだったからな。 よく計算しながら買ってたような気がするわぁ」
その望の言葉に和也は今度ふざけたような口調で、
「望ん家はお金持ちだったから計算せずに買えたんじゃねぇのか?」
「確かにお金持ちだったのかもしんねぇけど、俺の親父と母さんは海外で暮らしていて、俺はおばあちゃんに育てられたからな。 それに親父が仕送りしてくれて、ばあちゃんがやりくりしてたみてぇだし、それに、俺は小さかったからどれだけ仕送りしてくれてたって事なんか分からなかったしな。 だから、俺も駄菓子屋行く時なんかはちゃんと計算して買ってたもんだしな。 まぁ、それも勉強のうちだったのかもしれねぇけど」
「へぇ、そうだったんだな」
と和也がそう言った直後に急に足を止める。
「さて、そろそろ真面目に夕飯の買物をしねぇとな。 先ずは八百屋からな」
どうやら和也が足を止めたのは八百屋の前だ。 店頭には閉店間近だけあってか残りの野菜達が寂しそうに並んでいる姿が目に入る。
「茄子にサツマイモに人参かぁ?」
和也は並んでいる野菜を確認すると、どうやら、その並んでいる野菜で何か今晩のメニューを頭の中で作っているらしいく暫くすると何を作るのかが決まったのか、
「よしっ! 夕飯は天ぷらにしよう!」
そう主婦にみたいな雰囲気の和也に裕実はクスクスとしていた。
「和也ってたまに可愛いところありますよねぇ」
「何言ってんだ? 料理する時の基本みたいなもんだぜ。 例えば本を見ながらその材料だけを買いに行くってのと、冷蔵庫の中を見てメニューを決める人では、後に言った人の方が料理が上手い人だっていうのを聞いた事あるぜ。 だから、俺は店に並んでいる材料を見てメニューを決めたって訳だ」
「とりあえずそういう事にしといてくれよ。 今の時代っていうのはさ、こういう店っていうのは減って来ているんだし、たまには貢献しないとだろ? じゃないと本当になくなっちまうからさ」
「まぁな……」
「だけど、俺等の小さい頃に比べてだけど、高くなった気がすんだよなぁ」
和也は歩きながら今駄菓子を持っている袋を掲げる。
「前に十円で買えてたお菓子が今じゃあ二十円になってたりしてんだぜ」
「そうだったのか!?」
「ああ、小さい頃っていうのは、やっぱり、お小遣いの中で買わなきゃいけなかったらさ、それぞれの値段を覚えてたもんだからな」
「まぁ、確かに……小さい頃はお小遣いの中からってやるだったからな。 よく計算しながら買ってたような気がするわぁ」
その望の言葉に和也は今度ふざけたような口調で、
「望ん家はお金持ちだったから計算せずに買えたんじゃねぇのか?」
「確かにお金持ちだったのかもしんねぇけど、俺の親父と母さんは海外で暮らしていて、俺はおばあちゃんに育てられたからな。 それに親父が仕送りしてくれて、ばあちゃんがやりくりしてたみてぇだし、それに、俺は小さかったからどれだけ仕送りしてくれてたって事なんか分からなかったしな。 だから、俺も駄菓子屋行く時なんかはちゃんと計算して買ってたもんだしな。 まぁ、それも勉強のうちだったのかもしれねぇけど」
「へぇ、そうだったんだな」
と和也がそう言った直後に急に足を止める。
「さて、そろそろ真面目に夕飯の買物をしねぇとな。 先ずは八百屋からな」
どうやら和也が足を止めたのは八百屋の前だ。 店頭には閉店間近だけあってか残りの野菜達が寂しそうに並んでいる姿が目に入る。
「茄子にサツマイモに人参かぁ?」
和也は並んでいる野菜を確認すると、どうやら、その並んでいる野菜で何か今晩のメニューを頭の中で作っているらしいく暫くすると何を作るのかが決まったのか、
「よしっ! 夕飯は天ぷらにしよう!」
そう主婦にみたいな雰囲気の和也に裕実はクスクスとしていた。
「和也ってたまに可愛いところありますよねぇ」
「何言ってんだ? 料理する時の基本みたいなもんだぜ。 例えば本を見ながらその材料だけを買いに行くってのと、冷蔵庫の中を見てメニューを決める人では、後に言った人の方が料理が上手い人だっていうのを聞いた事あるぜ。 だから、俺は店に並んでいる材料を見てメニューを決めたって訳だ」
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説


いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。


イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる