【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー過去ー70

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 何故だか望の方はそうふざけたように言うと和也の方は、

「望……それは、あくまで二人が喧嘩をしていて俺が雄介と話をしている間ってやつだから別に普通の時っていうのは実行しなくてもいいんだよ」
「でも、たまにはいいんじゃねぇのか? なぁ、裕実」

 その話を裕実に振る望。

「そうですね! たまには僕も和也とではなく他の人とゆっくり話してみたいって時もありますからね」
「だぁー! 俺が悪いから、二人して言わないでくれねぇか? それに、二人にダッグ組まれたら太刀打ち出来なくなっちまうんだからよー」

 和也は手を合わせ頭を下げてまで言ってるのだから本当に勘弁して欲しいのであろう。

「でも、その提案、たまにはいいんじゃねぇのか? 俺が裕実の事を和也から取るんじゃなくて、和也は雄介と話をして、俺は裕実と話するっていいんじゃねぇかな? 確かにいつも一緒にいるのはいいのだけどさ……たまには少し距離を置くっていうのも息抜きみたいな感じでいいんじゃねぇかと思ってよ」
「あー、確かに、冷静になって細かく聞くと、たまにはいいのかもしれねぇよな? それに、恋人同士でずっといるのもいいけど、たまには友達同士で付き合うっていうのも悪くねえのかも」
「そういう事だ。 ついでだから、それ、明日実行してみねぇ?」

 何故だか望は和也に向かい目で合図を送る。

 だが流石の和也の方も望からの目だけの合図では望が何が言いたいのかが分からないようだ。

 和也は望の方へと近付くと小さな声で、

「今の合図に意味ってどういう意味だよー」
「お前にしては珍しいのな……俺からの目の合図で俺が何を言いたいのかが分からなかったなんてさ」
「それはいいからさ……答えの方を教えろよ」
「前にお前が言ってたじゃねぇかぁ。 裕実が隠し事している事があって俺には話すかもしれねぇって事だよ。 だから、明日二人きりになれた時に上手く聞き出せるような時には聞き出してやるよ……って意味だったんだけどな。 だけど、アイツって結構、勘とかっていうのが鋭いから、まぁ、期待しないで待ってろよな」
「あ、あー! そういう事か! 分かった……そこは頼むぜ」
「ああ……」

 和也はそう言うと、再び裕実の隣へと行きスーパーへ向けて歩き始める。

 いつもなら車で数分の距離なのだが、今日は事故があって車は和也が家に置いて来てしまったのだから歩いて帰るしかないという所だろう。

「でもさ、たまには歩くのもいいのかもな」
「ですね。 いつも車ですから、たまには足を使わないと衰えてしまうのが早くなってしまいそうですしね」
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