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ー過去ー24

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「いや、絶対にそれはないさ……。 ただアイツが俺に隠している過去がありんだよな。 どうして、恋人の俺に話してくれねぇのかな? って思っただけだよ。 俺って、そんなに裕実にとって信用にならない奴なのかな? って思ったら、なんか切ない気持ちになったって事だ」

 和也は話を一旦そこで止めると、もう一度、望の顔を真剣な表情で見つめ、

「お願いがあるんだ。 アイツさ、望になら何かこう話してくれる事があるだろ? だから、もしかしたら、アイツ……望にだったら話してくれるかもしれねぇから、それとなく聞いてくれねぇかな? って思ってよ」
「例え、俺から裕実にその話を聞けたとしても、それを和也に話すだろ? そしたら、俺の方はどうなんだ? 裕実と俺の関係が気不味くならないか?」
「大丈夫……。 望から話を聞いたら、裕実から話してくるまでは口を滑らせないようにすれば平気だろ?」
「まぁ、確かに、そうだけどさ。 俺、そういう話を和也のように上手く切り出せねぇかもしれねぇぞ……それでもいいのか?」
「まぁ、そこはとりあえず待つよ……。 気にはなるけどさ。 よっぽど、裕実からしてみたら話したくない事なんだと思うなんだしな」
「なら、お前は裕実の口から話してもらえるのを待ってやればいいじゃねぇのか?」
「俺はそれでもいいんだけどさ……もし、望の方に先に話した時にだな……まぁ、それを気にして欲しいっていうのかな?」
「まぁ、そこは分かったよ」

 望は納得すると、まだ裕実がお風呂から上がって来ないのを確認し、

「確かに、それも気になる所けどさぁ、もう一つ、裕実の事について気になる事ないか? 本宮君と裕実の事。 確かに遺伝子検査をすれば、直ぐにでも分かるのかもしれねぇが、もし、二人が兄弟だった場合、二人が何故別れて暮らすようになったのかさ……。 後は本宮君は施設で育って、裕実の方は何で家で育ててられたのかか?」
「その言い方だと、もう、その二人は兄弟ってのが確定的な話だよな」
「だって、おかしくないか? あんなにも顔が似ているのに苗字まで一緒なんだぞ。 これは偶然なのかもしれねぇんだけど……二人共、看護師になってるじゃねぇか」
「まぁ、そうだけどさ……。 今のところ、本宮君と裕実が兄弟っていうのは五分五分ってところだろうな」
「多分、八割はそうだと思ってるんだけどな。 俺はさ、後は血液型でもかな? まぁ、それを聞いたとしてもちょっと確率が上がったっていうだけで決定的ではないけどなぁ」
「あー、確か裕実はAB型だと思ったぜ」
「とりあえず、明日、本宮君にとりあえず聞いてみるか……。 後は遺伝子検査の事も話しておくよ」
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