【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー過去ー20

　 最初は真面目に語っていた和也だったのだが最後の方はいたずらっ子のような笑みを浮かべ裕実へと話を振るのだ。

「そうですよー。　望さん……まさか、話を逸らしたって訳じゃないですよねー？　別に僕は無理矢理って訳ではないですから、そこは話したくなかったら話さなくてもいいんですけどね」

　そう普通に話してくる裕実なのだが、その裕実の言い方だと話さなきゃならない状況にさせられているような気がするのは気のせいであろうか。

　そう裕実の場合には言葉での強制力は無いように思えるのだがオーラで話して下さい。　と言われているように思える。

　望は仕方無しに軽く息を吐くと先ずは大学時代に女性と付き合っていた頃の話から始め終えると、裕実は、

「確かに、女性から下手なんて言われたらトラウマになりますよねー。　きっと、和也には分からないところなのかもしれませんけどね。　僕の方は全くもって女性と付き合った事がないのですが、もし、望さんと同じように僕の方も女性に下手って言われそうな気がしますよ。　か、和也と付き合う前までは……あの……その……一人でスるとかっていうのもした事がなかったからですからね」
「あのなぁ、男っていうのはそういうDVDとかを見て勉強するもんなんだよ。　望と裕実っていうのは逆にそういったDVDを見て来なかったから下手って女性に言われちまうんじゃねぇのか？　確かに男っていうのは本能っていうのはあるのかもしれねぇけど、基本を知ってるか？　知らないか？　っていうので大分違うと思うんだけどなぁ」
「確かに和也の言う通り、俺はそういったDVDっていうのは見てなかったからなのかもしれねぇな。　だけど、俺の場合には大学の頃っていうのはさ、勉強ばっかしていたから、そういったDVDを見てる暇がなかったっていうのかな？　それになぁ、お前みたいにレンタル屋に行ってそういうDVDを簡単に借りれるような性格ではなかったからな」
「今なんかは別に借りに行かなくてもネットがあるじゃねぇか……それでも見る事は出来るんだぜ」
「当時っていうのはそこまでして見ようとも思ってなかったからな。　だから、見てねぇんだよ」
「……んで、ぶっつけ本番！？　そりゃ、流石に無理があんだろうよ。　もしかしたら、そういう知識が付いた今だったら。　裕実も望も女性と付き合う事が出来るんじゃねぇのか？」