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ー崩落ー119

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「それは、どっちに捉えたらええの?」

 望はその雄介の言葉に目を座らせ、

「これだけは普通にとってくれたらいいよ。 だから、ちょっとだけ待っててくれねぇか?」

 望は雄介の体を退けると風呂場の方に向かおうとしたのだが、

「ほなら、俺も一緒に風呂入るー!」
「あ、いや……それもいいから」

 そう言うと望の方はさっさとお風呂へと向かうのだ。

「なんやねん……ホンマ、望の奴……たまに分からん時あんねんなぁ」

 雄介はため息を漏らすとベッドの端へと腰を下ろすのだ。

「あーあ……むっちゃ、その気やったのに流石に萎えてまったやんかぁ」

 雄介そのままベッドへと横になると静かになってしまった部屋内には水音が聞こえてくる。

 その音に反応した雄介は体を横にしたばっかりだったのに半身を起こして望が行ってしまった風呂場の方に視線を向けるのだ。

 すると、ここのお風呂場はどうやら半透明なガラスで肌色のシルエットを見る事が出来た。

「萎えてしまったムスコさんが復活したみたいやわぁ。 たまにはこういうのも萌えるっていうもんなんやなぁ」

 やがて水音は止み望がお風呂から上がると雄介と望の視線が合ってしまう。

「お、おい! お風呂覗いてたのかよー!」
「そこはしゃーないやんかぁ、ここの風呂場のガラス半透明なんやしな。 見なくても勝手に目に入ってくるんやからなぁ」
「なら、横になってテレビでも見てれば良かっただろ?」
「テレビ見る位やったら、望の事見ておった方がええしな」

 そう雄介はニヤけて言うのだ。

 一方、望の方はこれ以上返す言葉が無くなったのか体を拭き終えるとバスローブを身に付け、

「とりあえず、お前も入って来いよ」

 望は頭を拭きながらベッドへと向かう。

「ええよ……俺の方は、もうその気やし」

 雄介はそう言いながら再びベッドの上に体を乗せるのだが、

「悪いが、それは嫌だ。 お風呂行って来い……」

 そう言って望は雄介の体を跳ね除ける。

「もー! 今日は俺のペースでええって望言ったやんかぁ」
「文句言ってる暇があんだったら、その時間が勿体無いと思わないのか? とりあえず、早く行って来いって言ってんだよ。 そしたら、お前の言う事聞くからよ」

 そんな言葉は望からしてみたら恥ずかしかったのか望はベッドへとうつ伏せになると枕へと顔を埋める。
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