【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
1,170 / 2,140

ー崩落ー50

しおりを挟む
「ほらな……やっぱ、シたんやないかー! そういう風に言うって事は自分がヤった経験があるか? 欲求不満だって事やろな?」
「そんな事はいいからさ、早く望の所に行ってやれよ……」

 和也にそう言われて雄介は腕時計を見ると既に面会時間から十五分は経っていた。

「え? もう! 十五分も損しとったやんかー!」
「だから言ってんじゃねぇか……」

 そんな慌てている雄介の様子を見ながら再びため息を吐く和也。

 雄介は和也や望に比べたら頭の回転は速くないのかもしれない。 和也みたく計算して話や行動をしているのではなくごく自然な行動をしているからこそ、喜怒哀楽が激しいのであろう。 だが和也の方は行動も言葉もある意味頭の中で予測をしていて、その考えとは違う風になると慌てるタイプのようだ。

「やっぱり、そこは……雄介とは違うんだろな? そこに望は魅力を感じたのかもしれねぇな」

 和也はそこで独り言を呟くと仕事の方へと戻って行く。

 雄介の方は望の名前を見つけると望がいるであろう病室へと入って行く。 そして一番手前のベッドに望を見つけると笑顔で望の近くへと向かう雄介。

 だが望の方はまだ寝ているのか雄介がいる側ではなく反対側を向いて寝てしまっている。

「まだ、望は寝てたんかいなー。 ま、しゃーないか……」

 そう言うと雄介は近くにあった椅子へと腰を下ろすのだ。

 雄介は一人、望の事を見ながらボッーとしていたのだが病院という所というのはこう適温で保たれているせいなのか、それとも昨日も寝てない雄介に眠気が襲ってきているのかは分からないのだけど雄介の頭がゆっくりと揺れ始める。 人間、眠気で頭が揺れ始めてしまうと眠くなってきているのは間違いない。 段々と雄介の頭は下がり始め気付いた時には望のベッドに頭を置いて雄介は寝てしまっていたようだ。

 それから数時間後。 雄介は目が覚めて半身を起こすと上半身だけ起こしている望の姿が目に入ってくる。

「望、起きてきて大丈夫なんか?」
「まぁな。 ここんとこ毎日のように寝てたから早く復活出来たような気がするしな」
「ほなら、良かったわぁ」

 雄介はそんな望に笑顔を向けたのだが何故か望は深刻そうな表情で雄介の事を見ているようにも思える。

「どないしたん?」
「あ、いや……なんでもねぇよ」

 望はそこまで言うと再び反対側を向いてしまう。

「な、言いたい事あんねんやったら言うて……」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

処理中です...