1,140 / 2,140
ー崩落ー20
しおりを挟む
「ん……」
雄介が望の体を拭く度にそう色っぽい声が望から漏れてくる。
きっと望の方はそんな事意識なんかしてないのであろうが雄介からしてみたら今望にそんな甘い声を出されてしまっては本当に困る状態でもある。
とりあえず雄介の方はそんな誘惑に負けそうになりながらも拭く作業を終わらせていくと望にパジャマを着させていくのだ。
パジャマの最後のボタンを留めると雄介の口からは安堵の息が漏れる。
きっと自分の中でどうにか病気の望に手を出さなかった事に安堵したのであろう。
だが雄介が望の事をベッドへと再び寝かせようと首や腰に手を掛けた直後、
「ゆ、雄介……俺の側に居てくれねぇか?」
そう息耐え耐えに雄介の事を誘うような瞳で見つめる望。
「そ、それは……まぁ……ええねんけどな……」
まさか望の口からそんなに素直な言葉が出てくるとは思ってなかった雄介は言葉を詰まらせながら慌てたように答えるのだ。
「なら、良かった……」
望の方はその雄介の言葉に安心したような顔をすると瞳を閉じる。
その直後、雄介は再び安堵のため息を漏らすのだ。
今日の望はいつも以上に色っぽく、何回、望に手を出そうと思ってしまった事だろう。 そして何回も思い止まったようだ。 そうだ今の望は病人なのだからそんな望に手を出せる訳もなく雄介にしてはかなり我慢した方にも思える。
望の方は着替えてスッキリしたのか、それとも雄介が側にいるから安心しているのか雄介に向かって微笑むと雄介の方に手を伸ばし、
「キスが……したいんだけど……」
と急にそんな事まで言い出す望に目を丸くする雄介。
「な、望……それ、本気で言ってるん?」
「……はぁ!? 何でだよ……好きな奴にキスしてくれって言っちゃいけねぇのかよ」
「あ、いや……そうやなくてな。 そのな……今の望にそないな事言われたらなぁ、なんていうんか?」
その望の言葉に何か言いたげにしているのだが完全に望から視線をそらすと言いにくそうに、
「せやから、そのな……望は今インフルエンザでダウンしとって……今のその顔がな……どうも誘われてる気がしてる上に望に『キスして』って言われてもうたら、俺の方が我慢出来ないっていうんかな?」
「あのな……気付けよ……。 こういう言葉を言ってるって事はさ、俺がお前の事誘ってるに決まってるだろ?」
雄介が望の体を拭く度にそう色っぽい声が望から漏れてくる。
きっと望の方はそんな事意識なんかしてないのであろうが雄介からしてみたら今望にそんな甘い声を出されてしまっては本当に困る状態でもある。
とりあえず雄介の方はそんな誘惑に負けそうになりながらも拭く作業を終わらせていくと望にパジャマを着させていくのだ。
パジャマの最後のボタンを留めると雄介の口からは安堵の息が漏れる。
きっと自分の中でどうにか病気の望に手を出さなかった事に安堵したのであろう。
だが雄介が望の事をベッドへと再び寝かせようと首や腰に手を掛けた直後、
「ゆ、雄介……俺の側に居てくれねぇか?」
そう息耐え耐えに雄介の事を誘うような瞳で見つめる望。
「そ、それは……まぁ……ええねんけどな……」
まさか望の口からそんなに素直な言葉が出てくるとは思ってなかった雄介は言葉を詰まらせながら慌てたように答えるのだ。
「なら、良かった……」
望の方はその雄介の言葉に安心したような顔をすると瞳を閉じる。
その直後、雄介は再び安堵のため息を漏らすのだ。
今日の望はいつも以上に色っぽく、何回、望に手を出そうと思ってしまった事だろう。 そして何回も思い止まったようだ。 そうだ今の望は病人なのだからそんな望に手を出せる訳もなく雄介にしてはかなり我慢した方にも思える。
望の方は着替えてスッキリしたのか、それとも雄介が側にいるから安心しているのか雄介に向かって微笑むと雄介の方に手を伸ばし、
「キスが……したいんだけど……」
と急にそんな事まで言い出す望に目を丸くする雄介。
「な、望……それ、本気で言ってるん?」
「……はぁ!? 何でだよ……好きな奴にキスしてくれって言っちゃいけねぇのかよ」
「あ、いや……そうやなくてな。 そのな……今の望にそないな事言われたらなぁ、なんていうんか?」
その望の言葉に何か言いたげにしているのだが完全に望から視線をそらすと言いにくそうに、
「せやから、そのな……望は今インフルエンザでダウンしとって……今のその顔がな……どうも誘われてる気がしてる上に望に『キスして』って言われてもうたら、俺の方が我慢出来ないっていうんかな?」
「あのな……気付けよ……。 こういう言葉を言ってるって事はさ、俺がお前の事誘ってるに決まってるだろ?」
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説


いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。


イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる