【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー海上ー125

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「なぁー、望ー! たったこれだけの事でデート中止になるんはやっぱ嫌やわぁ」
「わがまま言ってんじゃねぇよ! 子供じゃあるまいし!」
「ほんまにただの寝不足だしー、大した事あらへんって! ほんまこないな事で望とのデート中止にしたくないんやぁ」
「そんなくだらない事、言ってる暇があるんだったらさっさと車に乗りやがれ!」

 望は雄介の背中を押すと無理矢理車へと押し込めて車を走らせ始める。

 行きとは違い車の中では静かな二人。

 だって、そうだろう。 雄介の方は自分のせいでデートが中止になってしまったのだから塞ぎ込むしかないのだから。

 だが雄介がフッと窓の外に視線を向けるといつもと違う景色に気付く。

「な、望……家に帰るんと違う?」
「……さぁな」

 望の方はその雄介の質問に一瞬だけ間を置きそう曖昧な答え方をしたのだ。 その答え方に首を傾げる雄介。

 暫く車を走らせていると望の車はビジネスホテルではなくそういった目的のあるホテルの駐車場へと車を止めるのだ。

「まぁ、とりあえず、家に帰宅するよりかは、こっちの方が近く感じたからこっちにしただけなんだけどな。 それと、シたくて来た訳じゃなくて休みに来ただけだしよ」

 そう言う望は雄介の方に視線は向けてない。

 そんな望の雄介の方は何かに気づいたのであろう。 軽く微笑むと望の車から降りて望の手を掴みホテルの中へと入って行く。

 そうやってリードして入って来た雄介だったのだが雄介からしてみたら本当に久しぶりのホテルでしかも都会のシステムというのかこのホテルのシステムを知らなかったのか、

「ココのホテルのシステムってどうなってるんやろ?」
「はぁ!?」

 その雄介の言葉に望は言葉を裏返す。

「……ってか、俺の方はこういうとこあまり来た事がねぇし、マジに知らねぇんだけどよ。 それに前に来た時には和也がやってくれちまっただろ? それと彼女と付き合ってる時には本当に彼女の家だったしさ……ってか、お前の方がこういうとこの経験あるんじゃねぇのか?」
「まぁ、あるっちゃあるんやけど、システムが違うっていうんかな?」

 そう二人がロビーで話をしていると次に来たカップルが壁にある部屋の写真をタッチしてレシートみたいなのを手にしエレベーターへと乗り込む姿が目に入ってくる。

 それを見ていた雄介は、

「あ! なる程な! そういう事やったんかいなぁ!」
「ってか、それくらい分かっておけよ」
「……って、最近はお前の家っていうんか、俺等の家ばっかやったやんか」
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