【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー海上ー122

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 そして二人はデパート内にある眼鏡屋へと向かうのだ。

 今日は平日だからなのかデパート内は人がまばらに見える。 きっとこれが土日であったならもっと人がいただろう。

 とりあえず望にとって今日一番の目的は眼鏡探しなのだから直ぐに眼鏡屋へと向かうと早速フレームを選び始める。

 だが今の望にとってフレーム所ではない。 とりあえず一刻も早くフレームを選んで自分に合ったレンズを入れてもらいたいという所だろう。

「望にはこんな眼鏡が似合うんと違う?」

 そう雄介の方は望に黒縁眼鏡を渡そうとするのだが、

「今は本当に遊んでる場合じゃねぇんだよ……とりあえず、前と同じで縁無しフレームのやつがいいんだけどさ」
「たまにはイメチェンしてみたらどや? ちょっとでええから掛けてみぃって……」

 望は仕方なく雄介に渡された眼鏡を掛けてみるのだが、やはり前にかけていた縁無し眼鏡も方がしっくりくるようで、

「やっぱり、俺にはそういう眼鏡っていうのは多分似合わないと思うんだよな。 だから、いつもと同じにするよ」
「ま、確かにいつもの眼鏡の方がしっくりきてるのかもな」

 そう雄介の方も答えるという事は雄介の方もその黒縁眼鏡は望には似合わなかったという事なのかもしれない。

 望の方は本当にいつもの眼鏡で良かったもであろう。 それだけを選ぶと店員さんに預けて出来るまで暫く眼鏡無しで行動するしかないようだ。

 望は歩きながらため息を吐くと、

「ホント、眼鏡がないと不便なのな」
「望はいつから眼鏡掛けておるん?」
「中学生位の時だったかな?」
「そいじゃあ、もう眼鏡生活長いんやなぁ? 俺なんかは眼鏡に縁が無いって感じやしな。 親父もおかんも眼鏡やなかったし」
「ま、眼鏡っていうのは遺伝っていうのが一番強いらしいからな。 親がそうだったんなら老眼まで掛けなくて良さそうな感じだよな。 だけど、老眼っていうのは早いらしいぞ。 俺の知ってる人なんか五十代で老眼入ったらしいからな」
「その話ほんまなん?」

 雄介にとってその話を初めて聞いたらしく目を丸くしながら聞くのだった。

「ああ」
「まぁ、ええわぁ。 そこはなるようになるしかないって事やもんな? とりあえず、これからどないする?」

 雄介は望の手を握ると歩き始める。

「そだな? まだ、俺があんまり歩き回る事が出来ねぇからさ、デパートの上でお茶でもって感じか?」
「せやな。 それが一番安全そうだし、今は眼鏡が無いんじゃあ水族館や映画に行ってもつまらんやろうしな?」
「ま、そういう事だ。 そういう事は眼鏡掛けてからにしてくれねぇか?」
「せやな……」

 雄介は望の手を引き望の事を誘導しながら屋上にあるレストラン街へと向かうのだ。

 それから二人は街並が一望出来るレストランでお茶だけを飲んで二人だけの時間を過ごす。
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