【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー海上ー104

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「さっきから違和感があると思ったら、望、眼鏡がないやんかぁ」
「お前なぁ、毎日のように俺の顔見てるのに今更気付いたのかよ。 眼鏡はもうとっくに海の中で失くしちまってるんだよ。 だから、さっきからずっとお前の手を俺は握ってるんだろうが……」

 雄介は望にそう言われて確認するかのように手の方に視線そ向けると確かに望が雄介の手を握っていた。

「まさか、気付いてなかったのか?」

 望はそう冷めたような視線で雄介の事を見上げる。 すると雄介の方は誤魔化すかのように笑い後頭部を掻いてしまっていた。

 その雄介の様子に望は呆れたようなため息を吐くと雄介の手から離れてしまうのだ。

「ちょ、望……ゴメンって……」

 既に頰を膨らませてしまっている望。 雄介の方はその事について一生懸命望に向かって謝るのだが今のこの状況では聞く耳持たないという所なのかもしれない。

「な、な、な、なー、望……どないしたら機嫌直してくれるん?」

 前の望なら雄介にそんな事を言われた時には雄介の前から去っていたのかもしれない。 だけど今回は雄介の方に視線を向けて小さな声で、

「明日の夜、お前が俺の事抱いてくれたら機嫌なおしてやるよ」

 その望の言葉に雄介の方は笑顔になると、

「そないな事やったら、お安い御用や」

 そう言うと雄介は再び望の手を握る。

「もし、明日、俺が休みだったら眼鏡探しに行ってくれるか?」
「それは別に構わへんよ。 ほんなら、明日は久しぶりにデートやな」

 そう雄介の方はニヤケながら言うのだが、

「あくまで休みだったらの話」

 望がそう最後まで言わないうちに急に雄介は望の手を離してしまう。

 それが不安になった望は雄介の事を見上げ、

「望……ゴメンな。 もう、時間みたいやし、ほな、また明日……」

 雄介は望の方に向かって手を振るとまだ仕事が残っている雄介は行ってしまう。

 そうだ雄介はまだ仕事があるのだという事を望は忘れていたらしい。

 今まで笑顔で話をしていた望だったのだが笑顔を無くしため息を吐く。

 それに声を上げたのは和也だ。

 本当に和也という人物は空気を読んでいるのか読んでないのか分からないのだが急に大声を上げるのだ。

「って、どうしたんですか? いきなり大声を出されたらビックリしますからー」
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