1,030 / 2,140
ー海上ー62
しおりを挟む
「確かにそうですよね。 例え自分が冷静じゃなくても携帯は望さんと雄介さんを繋げてくれる大事なもんですからね」
そう裕実が言った直後、部屋内に望の携帯の着信音が鳴り響く。
その音に体をビクリとさせる裕実と和也。
それもそうだろう。 今までの流れ的に望の携帯が鳴るという事は何か雄介にあったのかもしれないと思ったからなのかもしれない。
だが部屋には望はいない。 そして望の携帯に電話をしてきている人物が二人は気になる訳で和也は覗き込むようにして電話の相手は誰なのか? というのを見てみるとそこには『雄介』と書かれていた。
すると今もまだ望の姿がないのだから和也の方は雄介だと分かった途端に悪いと思いながらもその電話に出るのだ。
「もしもし、ゴメン……望じゃなくて……」
『あー、和也か? 望はどないしてん?』
そう電話口から聴こえてくる雄介独特の関西弁にどうやら和也の方も安心したようだ。
「あ、ちょ、ちょっと待ってろよ……今、望を出させるからさ」
和也はそれだけを雄介に告げると慌ててリビングを飛び出し、そこから望の事を大きな声で呼ぶのだ。
「望! 雄介から電話だ!!」
その和也の言葉に顔色を変えてお風呂場から出てくる望。
望はきっと和也の言葉を聞いてお風呂に入っていたのであろう。
しかも今の和也の言葉に体の方も拭かずに望にしては珍しくそのままで出てきてしまったらしい。
和也はその望の姿には何も触れずに携帯だけを望に向かって投げ渡すと直ぐにリビングの方へと戻っていくのだ。
その頃、望の方は和也に投げ渡された携帯を耳に当てると、
「もしもし……」
『望かぁ?』
「ああ……」
『今日のニュース見ておったんやろ? お前の事やから心配してるんやと思って、早く望に電話したかった所やったんやけど、ほら、事故処理とかまぁ色々あってなぁ。 完全に終わったのは今さっきやったんやって、せやから、連絡が今時間になってしまったんやけど、スマン……心配させてもうて……』
きっと雄介の方は電話口で望に向かって頭を下げているだろう。
「ああ、そういう事だったんだな。 それに、心配するのは当たり前じゃねぇか! ニュースでレスキュー隊員が一人負傷って言われてからずっとお前じゃねぇのか? って思ってた位なんだからなっ! どんだけ、俺が心配してたか? っていうのはお前に分かってねぇだろうな」
今まで黙っていた望だったのだが、やはり雄介の声を聞いて安心したのか雄介からの電話に今まで心配していた想いを雄介にぶつけるのだ。
『ああ、ホンマにスマンって……。 望の気持ち俺には分かっておるからな』
そう裕実が言った直後、部屋内に望の携帯の着信音が鳴り響く。
その音に体をビクリとさせる裕実と和也。
それもそうだろう。 今までの流れ的に望の携帯が鳴るという事は何か雄介にあったのかもしれないと思ったからなのかもしれない。
だが部屋には望はいない。 そして望の携帯に電話をしてきている人物が二人は気になる訳で和也は覗き込むようにして電話の相手は誰なのか? というのを見てみるとそこには『雄介』と書かれていた。
すると今もまだ望の姿がないのだから和也の方は雄介だと分かった途端に悪いと思いながらもその電話に出るのだ。
「もしもし、ゴメン……望じゃなくて……」
『あー、和也か? 望はどないしてん?』
そう電話口から聴こえてくる雄介独特の関西弁にどうやら和也の方も安心したようだ。
「あ、ちょ、ちょっと待ってろよ……今、望を出させるからさ」
和也はそれだけを雄介に告げると慌ててリビングを飛び出し、そこから望の事を大きな声で呼ぶのだ。
「望! 雄介から電話だ!!」
その和也の言葉に顔色を変えてお風呂場から出てくる望。
望はきっと和也の言葉を聞いてお風呂に入っていたのであろう。
しかも今の和也の言葉に体の方も拭かずに望にしては珍しくそのままで出てきてしまったらしい。
和也はその望の姿には何も触れずに携帯だけを望に向かって投げ渡すと直ぐにリビングの方へと戻っていくのだ。
その頃、望の方は和也に投げ渡された携帯を耳に当てると、
「もしもし……」
『望かぁ?』
「ああ……」
『今日のニュース見ておったんやろ? お前の事やから心配してるんやと思って、早く望に電話したかった所やったんやけど、ほら、事故処理とかまぁ色々あってなぁ。 完全に終わったのは今さっきやったんやって、せやから、連絡が今時間になってしまったんやけど、スマン……心配させてもうて……』
きっと雄介の方は電話口で望に向かって頭を下げているだろう。
「ああ、そういう事だったんだな。 それに、心配するのは当たり前じゃねぇか! ニュースでレスキュー隊員が一人負傷って言われてからずっとお前じゃねぇのか? って思ってた位なんだからなっ! どんだけ、俺が心配してたか? っていうのはお前に分かってねぇだろうな」
今まで黙っていた望だったのだが、やはり雄介の声を聞いて安心したのか雄介からの電話に今まで心配していた想いを雄介にぶつけるのだ。
『ああ、ホンマにスマンって……。 望の気持ち俺には分かっておるからな』
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説


いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。


イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる