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ー海上ー61
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「俺、現場に向かう!」
「何、馬鹿な事言ってんだよっ! 関係ない奴が現場に入れる訳がねぇだろうが」
和也はその望の言葉を聞いて本当にその現場に行こうとしている望の前へと立ちはだかる。
「じゃあ、雄介は誰が治すんだよ!」
そう望にしては珍しく和也に向かって怒鳴り散らすかのように言ってしまっている。
「お前、どうしたんだ? 今のアナウンサーが言っていた事聞いてなかったのか? 確かに今アナウンサーは『レスキュー隊員が負傷』とは告げていたけどさ、別に桜井雄介さんとは言ってなかっただろ? もし、今の隊員が雄介だった場合、望に連絡来てもおかしくはないんじゃねぇのか? それに、今の現場からだと俺達の病院が近場だから、もしかしたら、春坂病院の方に来てくれるかもしれねぇだろ? そしたら、負傷した人物が雄介だったら望の親父さんから望に連絡が来ると思うんだけどな」
和也はそこまで言うと望の事をソファへと座らせる。
だが、まだ望の方は冷静ではないようだ。 やはり雄介の安否が気になっているらしく望にしては珍しく貧乏ゆすりをしてしまっているのだから。
だが本当に和也が言っていた通りに爆発事故が発生し鎮火したというニュースが流れているのにも関わらず望の携帯が鳴る事はなかった。
望である裕二からも望である雄介からも。
時刻はもう既に十二時を回っている。
「望……そろそろ寝ようぜ。 俺達には明日もあるんだからさ」
その和也の言葉に対して何も答えないでいる望。
和也の方はそんな望に大きなため息を一つ吐くと、
「お前なぁ、確かに雄介の事も大事なのかもしれねぇけど、患者さんの方も大事だろうがっ! 何!? お前ってそんなに患者さんの事何もわかってねぇのか!?」
きっと和也からしてみたら今の望の態度に何かこうキレる感じがあったのであろう。 今の今まで望に対して我慢してきたのだが、とうとうブチ切れてしまったらしい。
それでも望の方は上の空なのか、ただただため息だけを漏らしている。
「和也もそろそろ望さんの気持ち分かってあげて下さいよー」
裕実の方は和也の手首を掴んで和也の事を必死に止めているのだが急に和也は裕実の方へと振り向いて、
「そんな事、十分に承知してる事なんだよ!」
と和也の方は完全にもうイライラの頂点に達していたのか裕実にも当たってしまっているようだ。
その時、望の方は机を強く叩いて立ち上がると何処かへと行ってしまう。
「望……?」
今の望には和也が声を掛けても返事がある訳もなく部屋には和也と裕実が残されてしまった。
「和也……望さんの事追いかけなくてもいいんでしょうか?」
「いや、大丈夫だろ? 携帯だってそこに置いてあるんだからさ、外に行くって事じゃないんだと思うぜ」
和也は机の上に置いてある望の携帯を見つめながら言う。
「何、馬鹿な事言ってんだよっ! 関係ない奴が現場に入れる訳がねぇだろうが」
和也はその望の言葉を聞いて本当にその現場に行こうとしている望の前へと立ちはだかる。
「じゃあ、雄介は誰が治すんだよ!」
そう望にしては珍しく和也に向かって怒鳴り散らすかのように言ってしまっている。
「お前、どうしたんだ? 今のアナウンサーが言っていた事聞いてなかったのか? 確かに今アナウンサーは『レスキュー隊員が負傷』とは告げていたけどさ、別に桜井雄介さんとは言ってなかっただろ? もし、今の隊員が雄介だった場合、望に連絡来てもおかしくはないんじゃねぇのか? それに、今の現場からだと俺達の病院が近場だから、もしかしたら、春坂病院の方に来てくれるかもしれねぇだろ? そしたら、負傷した人物が雄介だったら望の親父さんから望に連絡が来ると思うんだけどな」
和也はそこまで言うと望の事をソファへと座らせる。
だが、まだ望の方は冷静ではないようだ。 やはり雄介の安否が気になっているらしく望にしては珍しく貧乏ゆすりをしてしまっているのだから。
だが本当に和也が言っていた通りに爆発事故が発生し鎮火したというニュースが流れているのにも関わらず望の携帯が鳴る事はなかった。
望である裕二からも望である雄介からも。
時刻はもう既に十二時を回っている。
「望……そろそろ寝ようぜ。 俺達には明日もあるんだからさ」
その和也の言葉に対して何も答えないでいる望。
和也の方はそんな望に大きなため息を一つ吐くと、
「お前なぁ、確かに雄介の事も大事なのかもしれねぇけど、患者さんの方も大事だろうがっ! 何!? お前ってそんなに患者さんの事何もわかってねぇのか!?」
きっと和也からしてみたら今の望の態度に何かこうキレる感じがあったのであろう。 今の今まで望に対して我慢してきたのだが、とうとうブチ切れてしまったらしい。
それでも望の方は上の空なのか、ただただため息だけを漏らしている。
「和也もそろそろ望さんの気持ち分かってあげて下さいよー」
裕実の方は和也の手首を掴んで和也の事を必死に止めているのだが急に和也は裕実の方へと振り向いて、
「そんな事、十分に承知してる事なんだよ!」
と和也の方は完全にもうイライラの頂点に達していたのか裕実にも当たってしまっているようだ。
その時、望の方は机を強く叩いて立ち上がると何処かへと行ってしまう。
「望……?」
今の望には和也が声を掛けても返事がある訳もなく部屋には和也と裕実が残されてしまった。
「和也……望さんの事追いかけなくてもいいんでしょうか?」
「いや、大丈夫だろ? 携帯だってそこに置いてあるんだからさ、外に行くって事じゃないんだと思うぜ」
和也は机の上に置いてある望の携帯を見つめながら言う。
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