【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー海上ー47

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「まだ、その『お礼』の意味を俺は望の口から聞いてないんだけど、さっきはあくまで俺の予想って事だしな」
「あー、だから、それはだな」
「そこまで言いかけてるんだったら言っちまえよ。 さっき楽になるって言っただっかだろ?」

 そう和也に言われても望からしてみたら、そう簡単には口から出てこないという所だろう。 和也は望がそんな事言えないという事を知っているのにも関わらず聞き出そうとしているようだ。

 望は窓の外に流れる景色を眺めながら言う決心がついたのか、

「だからだな。 今日は雄介が居なくて寂しい思いをしているであろう俺を外に連れ出してくれて、ありがとうっていう意味だ」

 和也はその望の言葉にクスリとしたのだが、

「言えたんじゃねぇのか? どうだ? 少しはスッキリしたか?」
「ああ、ぅん……まぁな」

 そう端切れが悪そうに望の方は答えていたのだが、どうやら和也の思惑通りに望の方はスッキリとしたようだ。

 そう和也からしてみたら望の横顔だけでも少し微笑んでいるようにも思える。

「よしっ! じゃあ、次は裕実の事迎えに行くかな!」

 和也の方はそう直ぐに話を切り替えて、そう言うのだ。 そう和也というのは話をそう長くは引っ張らない性格なのかもしれない。 いつまでも引っ張り過ぎても今度和也の方が望に嫌われるかもしれないと思うからなのかもしれない。

 車を走らせていると段々と景色の方も変わってくる。

 先程まで田園風景が広がっていたのだが、やがて景色の方は住宅密集地へと変わり、ゆっくりとなのだが現実世界へと戻って来た感じがしているのかもしれない。

 ちょっとした小旅行を楽しんだ二人は夕陽が沈む頃にはビルが広がる街の風景へと戻って来ていた。

 そして、いつも慣れた病院の駐車場へと到着する。

「終わる時間まで後三十分か……。 とりあえず、裕実にはメール入れておくな」
「ああ……」

 和也は望にそう告げると胸ポケットに入れておいた携帯を取り出し裕実へとメールを送る。

「な、和也……俺なんかより裕実の方を心配しなくていいのか? なんつったっけ? 新城先生って危なくなかったんだっけ?」
「あー、あれ? 俺的にはもう気にしないって感じになってきたんだけど、だって、それは、望の親父さんの計画だったしな」
「だからって平気なもんなのか?」
「平気だって。   それにアイツ、裕実の事は好みじゃねぇって言ってたしな。 それに裕実は俺のもんだしなぁ、世界中で裕実の事を愛してるのは俺だけだしな」
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