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ー海上ー42
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「ここは俺の車の中だから、恥ずかしい言葉言っても外に聴こえてしまう心配なんてないっつーの……」
確かに和也の言う通りなのかもしれないのだが、そこは望の性格が許せなかったのかもしれない。
本当に望は和也には口では勝てないような気がする。 まぁ、確かに和也という人物というのは口が達者だからなのかもしれないのだが。
しかし病院でもそうだ……。 望がいくら言っても言う事を効かない患者さんでも、和也が何かと説得すると言う事を聞いてくれるようになる患者さんもいる程なのだから。
こう望と和也の言葉の差とはどういうもんなんだろうか?
「……ぞむ……! 望!」
「あ、ああ……何だ?」
「今、何を考えてたんだ? 俺、もう何回もお前の事呼んでたんだけどな」
「あ、いや、なんでも」
望はそこまで言うと窓の外に流れる景色の方に視線を移してしまう。
「話したくないんだったらいいんだけどさーってか、お前って、言いたい事を心に溜め過ぎなんだよ!」
と丁度信号で止まった瞬間に和也は真剣な瞳をしながらも望の胸辺りを指で二回程突く。
「確かに望は素直じゃねぇのは前から承知してるんだけどさ、言いたい事を心の中に溜めておくっていうのはあまりいい事じゃねぇよな? そう、体の方は大丈夫でも心の方は参っちまうからな。 だから、素直にならなくてストレスにならない事なら別に言わなくてもいいんだけどよ。 言わないとストレスになるような事は俺でも裕実にでも雄介にでも言えよ……いいや、寧ろ、言っちまった方が楽になると俺は思うんだけどな」
和也がそこまで言うと信号の方は青になったのか和也は車を走らせる。
和也という人間というのは普段はふざけたり能天気そうな感じに見えるのだが一度真剣な話を始めると真面目になるというのであろうか。
だが、その和也が真剣になった時には望からしてみたら心に響くという所であろうか?
「あ、まぁ、そんな事、分かってるよ。 だけど、俺の場合にはそれを上手く口に出来ねぇっていうのかな? 自分が恥ずかしい思いをすんのも嫌だし、相手にこんな事言っちまったら嫌われるんじゃねぇかと思っちまってな」
「ん? 俺の方はそんな事全くもって気にしねぇよ……それに、そこは望の性格じゃんか……もう長年一緒にいるんだからさ……なんていうの? 俺的には望の事分かってるつもりなんだけどな……。 なぁ、望さぁ、これだけ、俺と一緒にいて、俺の言葉でムカついた言葉ってあるか?」
望はその和也の言葉に考えると、
「本気ではないのかもしれねぇけど……まぁ、多少はって所かな?」
「じゃあ、本気で嫌いになった事は?」
「嫌いになった時はあん時位だろ? 最初にお前と喧嘩した時。 でも、お前と少し離れてみて、やっぱ、俺にはお前がいないとダメだったんだ……っていうのを気付かされた感じだったけどな……」
「俺もだから、人の事は言えねぇんだけど……。 でも、俺の方も変われたのはお前のおかげだと思ってるけどな」
「俺もだからさ」
確かに和也の言う通りなのかもしれないのだが、そこは望の性格が許せなかったのかもしれない。
本当に望は和也には口では勝てないような気がする。 まぁ、確かに和也という人物というのは口が達者だからなのかもしれないのだが。
しかし病院でもそうだ……。 望がいくら言っても言う事を効かない患者さんでも、和也が何かと説得すると言う事を聞いてくれるようになる患者さんもいる程なのだから。
こう望と和也の言葉の差とはどういうもんなんだろうか?
「……ぞむ……! 望!」
「あ、ああ……何だ?」
「今、何を考えてたんだ? 俺、もう何回もお前の事呼んでたんだけどな」
「あ、いや、なんでも」
望はそこまで言うと窓の外に流れる景色の方に視線を移してしまう。
「話したくないんだったらいいんだけどさーってか、お前って、言いたい事を心に溜め過ぎなんだよ!」
と丁度信号で止まった瞬間に和也は真剣な瞳をしながらも望の胸辺りを指で二回程突く。
「確かに望は素直じゃねぇのは前から承知してるんだけどさ、言いたい事を心の中に溜めておくっていうのはあまりいい事じゃねぇよな? そう、体の方は大丈夫でも心の方は参っちまうからな。 だから、素直にならなくてストレスにならない事なら別に言わなくてもいいんだけどよ。 言わないとストレスになるような事は俺でも裕実にでも雄介にでも言えよ……いいや、寧ろ、言っちまった方が楽になると俺は思うんだけどな」
和也がそこまで言うと信号の方は青になったのか和也は車を走らせる。
和也という人間というのは普段はふざけたり能天気そうな感じに見えるのだが一度真剣な話を始めると真面目になるというのであろうか。
だが、その和也が真剣になった時には望からしてみたら心に響くという所であろうか?
「あ、まぁ、そんな事、分かってるよ。 だけど、俺の場合にはそれを上手く口に出来ねぇっていうのかな? 自分が恥ずかしい思いをすんのも嫌だし、相手にこんな事言っちまったら嫌われるんじゃねぇかと思っちまってな」
「ん? 俺の方はそんな事全くもって気にしねぇよ……それに、そこは望の性格じゃんか……もう長年一緒にいるんだからさ……なんていうの? 俺的には望の事分かってるつもりなんだけどな……。 なぁ、望さぁ、これだけ、俺と一緒にいて、俺の言葉でムカついた言葉ってあるか?」
望はその和也の言葉に考えると、
「本気ではないのかもしれねぇけど……まぁ、多少はって所かな?」
「じゃあ、本気で嫌いになった事は?」
「嫌いになった時はあん時位だろ? 最初にお前と喧嘩した時。 でも、お前と少し離れてみて、やっぱ、俺にはお前がいないとダメだったんだ……っていうのを気付かされた感じだったけどな……」
「俺もだから、人の事は言えねぇんだけど……。 でも、俺の方も変われたのはお前のおかげだと思ってるけどな」
「俺もだからさ」
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