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ー波乱ー174

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「あ、君は確か……梅沢君の恋人の……んー、役者は揃ったって訳だ……」

 その裕二の独り言みたいな言葉に目を丸くする三人。

「とりあえず、本宮君、梅沢君と新城君をここに呼んで来てくれないかな?」
「あ! でも和也は帰ったかと……」

  と望はそう慌てて言ったのだが、

「和也なら、僕が終わるまで仮眠を取るって言ってましたから、多分、部屋の方に居るかと思いますよ」
「じゃあ、悪いけど……二人の愛の深さが分かった所で、もう一つの問題の種明かしでもしましょうか?」

 裕二が言ってる事が未だに分かっていない三人は頭にきっとはてなマークを浮かべているのであろう。

 裕実はとりあえず病室を出ると和也と颯斗の事を呼びに向かうのだ。

 その間に裕二は簡易ベッドを望の病室へと運んでくる。 そこに雄介の事を寝かせ簡単に治療を済ませると、丁度、颯斗も和也も望の病室へと来る。 そして颯斗は裕二の隣へと立たせ、

「さて、今回……新城君ですが……梅沢君の事を好きだと言ってましたよね?」

 その裕二の問いに望達は頭を頷かせるのだ。

「ただ単に、私が君達の愛を知るために送り込んだだけだって言ったら?」

 その問いに、いや答えにそれぞれ表情を変えて驚きの声を上げる。

 その反応に一番笑っているのは裕二と颯斗だ。

「ちょっと待てよ……って事はさ、新城先生は全くもって和也には興味がなかったっていう事なのか?」
「まぁ、そういう事になるよねー、とりあえず、新城君が関わっていた事は全部私が君達に仕掛けていた事って事なんだけど……楽しんでいただけたかな? まぁ、正確には私の方が楽しませていただいたっていう事になるのかな? でも、いいものを見せてもらったようにも思えるよ。 だって、君達の愛情や友情には色々と感動させられたって部分が沢山あったからね。 どんな状況においても仲間や恋人に相談して助け合う。 素晴らしい仲間なんじゃないかな? これからもその心を忘れずにいてもらいたいって所かな?」

 最初は裕二にハメられたって事に腹を立てていたさ四人だったのだが裕二が何のためにそんな事をしたのか? っていう理由が分かると納得したようだ。 だが疑問に思う事はいくつかある。

「なぁ、親父……新城先生が関わっていない事に関しては親父が仕掛けた事じゃないんだよな? じゃあ、和也に告白してきた女性、裕実に手を出して来た男性、雄介に告白してきた女性っていうのは親父が仕掛けて来た事ではないって事なんだよな?」
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