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ー波乱ー172

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 望はその携帯を手にすると電話帳で裕二の場所でへとカーソルを合わせて裕二へと電話をかけるのだ。

 そして望は裕二の携帯に電話をすると、

「親父! 今すぐに俺の病室に警察官と一緒に来てくれ! 今、俺の事を狙っていた犯人がいるからさ! 今は雄介がその犯人と闘ってくれてるんだよ!」

 望はそれだけを告げると電話を切る。

 そして未だに病室内で闘っている二人を見ていると、やはり武道をやっていたという皇志の方は未だに体に傷一つなく息は上がってないようだ。 一方、雄介の方はお腹に皇志の一発が入っている為か息が上がってきているようにも思える。

 両方共、隙を見せたらやられるのが分かっているからなのか本当に隙を見せない二人。 睨み合いみたいなのが続いている。

 その時ドアが開き皇志はそのドアの開閉音に気付いたのであろうか? 雄介に隙を見せる事によって雄介の方は行動を起こして犯人のお腹へと一発喰らわせるのだ。

 例え武道をやっていなくても日頃鍛えている雄介の一発は結構重たいのであろう。 その一発が皇志のお腹へと入ると皇志はそのまま床へと伏せてしまうのだ。

「親父! コイツが俺の事狙っていた犯人だ!」
「へぇー、私が息子並に可愛がっていた子がね」

 そう言うと裕二は床に伏せてしまっている皇志の元へと向かい、

「君はとんでもない人を殺そうとしてたんだ。 一回目の時は失敗したから、二回目は自分の手で私の可愛い息子に手を出したんだね。 悪いがどんなに可愛い子でも私の息子に手を出すのは病院には置いていられないかな? まぁ、とりあえず君は殺人未遂っていう立派な犯罪を犯しているのだから、病院で働くとこではないのかもしれないのだけど……だって、刑務所行きになるんだろうしね」

 そう言うと裕二は皇志の事を警察へと受け渡す。

「これで、一件落着って感じなんやな」

  雄介の方はホッとしたような表情を見せると腰にもう力が入らなくてなってしまったのか、そのまま床へと腰を落としてしまったようだ。

「ホンマ……めっちゃ怖かったわぁ。 死ぬかと思うたのやけど。 助かったみたいでホンマ良かったし」
「ちょ、待てよ……ってかさ、そんな事言うけどさ、お前は本当に弱いのか!?」
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