【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

ー波乱ー132

「……で、カメラの位置を簡単に変える事が出来た人物なんやろ？　それに、望達がいる階には望の所で働いている職員しかいないんやし、今までのその防犯カメラの記録で不審者がいなけれなそうなるんちゃう？　そして、望達が夜の九時に部屋に戻って来た時には荒らされた後はあったものの、貴重品は盗まれてないんやったら、物盗りの犯行ではないって訳やしな……でもなぁ、物盗りじゃなかったら、犯人は何がしたいんか？　っていうのが分からんのやけど……？」

　そこまで雄介は推理しといて、どうやら、まだ犯人が何をしたいのかが分からないらしい。

　望はそんな抜けている雄介にため息を吐く。

　確かに朝はただの殺気で夜は部屋を荒らされていただけ。　確かにこれだけでは犯人が望に何をしたいのかが分からない。

　例え、それが内部犯だとしても外部犯だとしてもだ。

「ま、ええわぁ、とりあえず、飯も終わったし、風呂入ろ！」

　そう言う雄介なのだが顔はニヤケているものの瞳は真剣な感じだ。

　その雄介の真剣な瞳に望は気付く。

「分かったよ……」

　と今回は仕方なさそうに返事をする望。

　仕方無さそうに返事をしていたのだが雄介の方は自分が言いたい事が望に伝わったようで安心したような表情をすると空になった食器を流し台へと置くのだ。

　お湯を溜めている間、一昨日の時間を埋めるようにソファに座って二人だけの時間を過ごす。

　いや、寧ろ雄介からしてみたら今回の事件の事について忘れる位。　俺に没頭しろ。　という意味だったのかもしれない。

　そして、お湯が溜まる頃を見計らって雄介は望の手を取ると、まずは二階へと足を運び、パジャマ等を取って一階にあるお風呂場へと向かう。

　そして久しぶりにお風呂に入った二人は更に幸せな時間を過ごして寝室へと向かうのだ。

　あの喧嘩以来、無駄な時間を過ごさないように更に二人の間には愛が深まったのかもしれない。

　布団の中に入っても雄介は望の事を抱き締めたまま眠りへと落ちていく。