【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー波乱ー106

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 次の日、望は雄介が作ったご飯を食べずに家を出て行く。

 昨日の夜、喧嘩したばかりで、そう簡単にそれを忘れられる訳がない。

 平気な顔をして雄介の事を見つめられるような性格ではない望。 とりあえず雄介には「今日は会議からあるから……」とは言って出てきていた。

   だから望は病院に向かう前にコンビニへと足を運び、おにぎりとお茶を購入すると、それを車の中で食べ時間を少し潰すと車を病院へと向けて走らせるのだ。

 そうする事でいつもと変わらない時間に駐車場へと着いたようだ。

 望は何気なしに和也の車が置いてある所へと視線を向けると今日は珍しく和也の車が置いてあった。

 いつもは望より後に来ている和也。 とりあえず和也の車がある近場まで行ってみる。

 すると、そこには人影があって望はそこで足を止めてしまうのだ。

 流石の和也も望の存在に気付いたのであろう。 和也は裕実から離れると車から降りて来て、

「どうしたんだよー、珍しいよな? 望が俺の車に近寄ってくるなんてさ……いつもなら、病院に着いたらそのまま部屋の方に向かうのにさ……」

   和也は望の様子がおかしい事に気付きながらも普通の会話をし続ける。 そう和也の場合には、いつもと様子が違うと普通の会話をしながらも何か相手の様子を伺う事はあるようだ。 特に望の場合には分かりやすいと言った方がいいのかもしれない。

「お前こそ珍しいだろうが、何でこんな早くに来てんだよ……だから、俺の方こそ気になって見に来たんだからな」

 そう望の方は何も和也に気付かれないように話しをするのだが、

「ん? 今日の望、顔色悪くねぇ?」

 そう和也は望の顔を覗き込むようにして見つめてくる。 だが今日の望はそこに気が触れたのか、それとも元々そういう感じだったのかは分からないのだが急に怒り出し和也の事を払い除けようとしたのだが和也の方はそれを上手く交わしてしまう。

「今日の望……本当に顔色が悪いんだけどな?    何かあったのか? 言葉ではいくらでも誤魔化す事は出来るけどさ……顔色だけは誤魔化す事は出来ねぇんだよ。 俺は何年、お前と……患者さんの事……見て……ちょ、おい!」

   望はいきなり和也の前から走り出すと自分の部屋へと向かってしまったようだ。

 和也はその望の後ろ姿を見ながらため息を吐くと、それと同時に裕実が車から降りて来る。

「望さん……」
「分かってる……あれは昨日、雄介と何かあったって態度だったからな。 きっと、本当は俺に相談したい事があって、来たんだろうけど、お前と居たから言わずに行ったって事なのかな?」
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