898 / 2,140
ー波乱ー106
しおりを挟む
次の日、望は雄介が作ったご飯を食べずに家を出て行く。
昨日の夜、喧嘩したばかりで、そう簡単にそれを忘れられる訳がない。
平気な顔をして雄介の事を見つめられるような性格ではない望。 とりあえず雄介には「今日は会議からあるから……」とは言って出てきていた。
だから望は病院に向かう前にコンビニへと足を運び、おにぎりとお茶を購入すると、それを車の中で食べ時間を少し潰すと車を病院へと向けて走らせるのだ。
そうする事でいつもと変わらない時間に駐車場へと着いたようだ。
望は何気なしに和也の車が置いてある所へと視線を向けると今日は珍しく和也の車が置いてあった。
いつもは望より後に来ている和也。 とりあえず和也の車がある近場まで行ってみる。
すると、そこには人影があって望はそこで足を止めてしまうのだ。
流石の和也も望の存在に気付いたのであろう。 和也は裕実から離れると車から降りて来て、
「どうしたんだよー、珍しいよな? 望が俺の車に近寄ってくるなんてさ……いつもなら、病院に着いたらそのまま部屋の方に向かうのにさ……」
和也は望の様子がおかしい事に気付きながらも普通の会話をし続ける。 そう和也の場合には、いつもと様子が違うと普通の会話をしながらも何か相手の様子を伺う事はあるようだ。 特に望の場合には分かりやすいと言った方がいいのかもしれない。
「お前こそ珍しいだろうが、何でこんな早くに来てんだよ……だから、俺の方こそ気になって見に来たんだからな」
そう望の方は何も和也に気付かれないように話しをするのだが、
「ん? 今日の望、顔色悪くねぇ?」
そう和也は望の顔を覗き込むようにして見つめてくる。 だが今日の望はそこに気が触れたのか、それとも元々そういう感じだったのかは分からないのだが急に怒り出し和也の事を払い除けようとしたのだが和也の方はそれを上手く交わしてしまう。
「今日の望……本当に顔色が悪いんだけどな? 何かあったのか? 言葉ではいくらでも誤魔化す事は出来るけどさ……顔色だけは誤魔化す事は出来ねぇんだよ。 俺は何年、お前と……患者さんの事……見て……ちょ、おい!」
望はいきなり和也の前から走り出すと自分の部屋へと向かってしまったようだ。
和也はその望の後ろ姿を見ながらため息を吐くと、それと同時に裕実が車から降りて来る。
「望さん……」
「分かってる……あれは昨日、雄介と何かあったって態度だったからな。 きっと、本当は俺に相談したい事があって、来たんだろうけど、お前と居たから言わずに行ったって事なのかな?」
昨日の夜、喧嘩したばかりで、そう簡単にそれを忘れられる訳がない。
平気な顔をして雄介の事を見つめられるような性格ではない望。 とりあえず雄介には「今日は会議からあるから……」とは言って出てきていた。
だから望は病院に向かう前にコンビニへと足を運び、おにぎりとお茶を購入すると、それを車の中で食べ時間を少し潰すと車を病院へと向けて走らせるのだ。
そうする事でいつもと変わらない時間に駐車場へと着いたようだ。
望は何気なしに和也の車が置いてある所へと視線を向けると今日は珍しく和也の車が置いてあった。
いつもは望より後に来ている和也。 とりあえず和也の車がある近場まで行ってみる。
すると、そこには人影があって望はそこで足を止めてしまうのだ。
流石の和也も望の存在に気付いたのであろう。 和也は裕実から離れると車から降りて来て、
「どうしたんだよー、珍しいよな? 望が俺の車に近寄ってくるなんてさ……いつもなら、病院に着いたらそのまま部屋の方に向かうのにさ……」
和也は望の様子がおかしい事に気付きながらも普通の会話をし続ける。 そう和也の場合には、いつもと様子が違うと普通の会話をしながらも何か相手の様子を伺う事はあるようだ。 特に望の場合には分かりやすいと言った方がいいのかもしれない。
「お前こそ珍しいだろうが、何でこんな早くに来てんだよ……だから、俺の方こそ気になって見に来たんだからな」
そう望の方は何も和也に気付かれないように話しをするのだが、
「ん? 今日の望、顔色悪くねぇ?」
そう和也は望の顔を覗き込むようにして見つめてくる。 だが今日の望はそこに気が触れたのか、それとも元々そういう感じだったのかは分からないのだが急に怒り出し和也の事を払い除けようとしたのだが和也の方はそれを上手く交わしてしまう。
「今日の望……本当に顔色が悪いんだけどな? 何かあったのか? 言葉ではいくらでも誤魔化す事は出来るけどさ……顔色だけは誤魔化す事は出来ねぇんだよ。 俺は何年、お前と……患者さんの事……見て……ちょ、おい!」
望はいきなり和也の前から走り出すと自分の部屋へと向かってしまったようだ。
和也はその望の後ろ姿を見ながらため息を吐くと、それと同時に裕実が車から降りて来る。
「望さん……」
「分かってる……あれは昨日、雄介と何かあったって態度だったからな。 きっと、本当は俺に相談したい事があって、来たんだろうけど、お前と居たから言わずに行ったって事なのかな?」
0
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる