【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

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ー波乱ー87

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 雄介が持っている物を凝視してしまう望。

「あ、これか? お前の親父さんが俺にくれたんやって……。 俺、ホンマにお前の親父さんに気に入られておるみたいやな……? ほな、今日はコレ使って楽しもうか?」

 望はそういった事に関して疎いからなのか雄介が今持っている物に関して全くもって知識がないようなのだが、その雄介の問いに反応出来ないでいると、

「これか? コレ、知らんの? こうやって、お前の手を動かされへんようにするもんなんやで……」

 雄介はそう言いながら望の手首を取ると後ろ手に望の手首に今持っている手錠を掛けてしまう。

「これで……ど、どうするんだよ……」

 訳のわからないまま手錠を掛けられてしまった望。 当たり前なのだが、そりゃ疑問に思うだろう。

「ん? 今日の望は手が使えへんのやから、俺に掴まる事さえ出来へんって事なんかな?」
「はぁ!?」

 何だか雄介がいつもとは違う感じがするのは気のせいなんだろうか? 少しだけなのだが今日の雄介には恐怖を感じてしまっているようにも思える望。 それが顔にも出てしまったらしく、

「どうないしたん? そないに怖いって顔して……」
「いや……なにも……」

 後ろ手に手錠を掛けられた望は何かを確かめるかのように手錠の掛かった手首を動かしてみると、この静かな空間に手錠特有のジャラリとした音が響くのだ。

「な、望……今日は変わった趣向でって言ったやろ? でもな……それは逆に好きやから、信頼して相手に体を任せる事が出来るって事なんじゃないんかな? こうやって、たまには変わったプレイっていうのもええんやないの?」

 雄介はそこで一旦言葉を切ると、

「俺はホンマに望の事が好きなんやって……何遍言うても足りへん位に俺はお前の事が好きなんや。 俺はお前に出会えて本当に良かったって思うとる。  今、俺の中では望と出会えて幸せな時やって思うとるしな」

 雄介は先程とは違い、いつのの雄介の笑顔へと戻ると雄介は望の顎に手を添えて斜め上へと顔を上げさせる。

 そうする事によって二人の視線が合い雄介は望に向かって微笑むとその望の唇に誘われるかのように唇を重ねる。

 甘い雄介の言葉に甘い唇。 何度重ねても飽きるって事はない。

 今日は病院の時とは違い周りを気にしなくていい状況でもあるのだから望も雄介もキスに酔いしれてしまっているのかもしれない。 何度も何度も角度を変えては唇を重ねる二人。 時には音を立ててみたり舌を絡ませてみたりを繰り返すのだ。

 何度もキスを重ねていくうちに望の方がもう体に力が入らなくなってきたのか倒れるようにシーツの波へと沈んでいく。

 だが後ろ手に手錠を掛けられているせいかシーツと自分の体との間で腕を挟まれてしまい苦痛の表情を浮かべる。
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