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ー波乱ー53
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「そりゃま……確かにそうやねんけど……。 ほな、俺はここで待っておるし、早よ、様子見てきてぇな」
そう雄介は望に向かって笑顔を向けるのだが未だに心配そうな表情までは抜けていないようだ。
「大丈夫だって、俺はあくまでただの様子見なんだからさ。 俺はお前みたく体力的にも精神的にもそんなに強くないんだからよ。 自分のから向かっていくような事はしねぇから大丈夫だって……」
「そう言うって事は? 望の方も何か危険な感じがしていると思っているんとちゃうんの?」
「そうなのかもな……」
望の方はそう静かに答えると表情を変えて和也が出てこなくてなった病室の前へと向かうのだ。
既にもうさっきのギャラリー達は消えて廊下の方もいつもと変わらない感じになっていた。 そこにポツンと雄介だけが取り残されている状態で雄介は廊下にいる。
望は和也が入って行った病室の前で、その病室にいる人物の名札を見上げるのだ。
「俺はこの患者さん、担当した事がないから、分からないんだけど……きっと、和也は知ってるんだろうな」
そう独り言を漏らすと、いよいよ、ノックをして入ろうとした途端に中から会話が聴こえてきたのだ。
「この部屋に看護師の本宮さんが来ましたよね?」
「そんな名前の看護師さんなら、さっき隣の病室の方に行かれましたよ」
和也はどうやらその男性の様子を見ているようだ。 人が嘘を吐く時、大抵の人は話し相手とは視線を外してしまう事が多い。 だが、この男性は和也の視線から視線を外していないようだ。 寧ろ、真っ直ぐに和也の事を見ている。
「そうでしたか……それなら、失礼いたします」
そう和也はその場から頭を下げて出て行こうとしたのだが、その男は和也に向かい、
「貴方……失礼過ぎませんか? 言い掛かりだけつけておいて、頭下げるだけですか……今のは侮辱されたのと同じなのだから、土下座位して行ったらどうなんです?」
そう告げると、その男はデカイ態度で和也の事を見据えてくる。
流石はVIP病室とでも言えるのであろう。
VIP病室の方には、やはり芸能人から社長とか政治家とかとそういうお偉いさんが休む病室なのだから、そういうデカイ態度を取る方々が多い病室でもある。
だからこそ言葉遣いも一般病棟の人達に比べたら、いつも以上に気を使うところなのにも関わらず、きっと今の和也は頭に血が上っていたのであろうか。 いつも以上に冷静ではなかったようだ。
だが和也からしてみたら今までの推理では裕実がこの病室にいそうで仕方がないようなのだが今のところ裕実の姿は確かにまったくもって見当たらないのが現実でもある。
会話をしながら和也はこの病室の中を見渡すのだが本当に裕実がいる気配はないように思えるのだ。
そう雄介は望に向かって笑顔を向けるのだが未だに心配そうな表情までは抜けていないようだ。
「大丈夫だって、俺はあくまでただの様子見なんだからさ。 俺はお前みたく体力的にも精神的にもそんなに強くないんだからよ。 自分のから向かっていくような事はしねぇから大丈夫だって……」
「そう言うって事は? 望の方も何か危険な感じがしていると思っているんとちゃうんの?」
「そうなのかもな……」
望の方はそう静かに答えると表情を変えて和也が出てこなくてなった病室の前へと向かうのだ。
既にもうさっきのギャラリー達は消えて廊下の方もいつもと変わらない感じになっていた。 そこにポツンと雄介だけが取り残されている状態で雄介は廊下にいる。
望は和也が入って行った病室の前で、その病室にいる人物の名札を見上げるのだ。
「俺はこの患者さん、担当した事がないから、分からないんだけど……きっと、和也は知ってるんだろうな」
そう独り言を漏らすと、いよいよ、ノックをして入ろうとした途端に中から会話が聴こえてきたのだ。
「この部屋に看護師の本宮さんが来ましたよね?」
「そんな名前の看護師さんなら、さっき隣の病室の方に行かれましたよ」
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「そうでしたか……それなら、失礼いたします」
そう和也はその場から頭を下げて出て行こうとしたのだが、その男は和也に向かい、
「貴方……失礼過ぎませんか? 言い掛かりだけつけておいて、頭下げるだけですか……今のは侮辱されたのと同じなのだから、土下座位して行ったらどうなんです?」
そう告げると、その男はデカイ態度で和也の事を見据えてくる。
流石はVIP病室とでも言えるのであろう。
VIP病室の方には、やはり芸能人から社長とか政治家とかとそういうお偉いさんが休む病室なのだから、そういうデカイ態度を取る方々が多い病室でもある。
だからこそ言葉遣いも一般病棟の人達に比べたら、いつも以上に気を使うところなのにも関わらず、きっと今の和也は頭に血が上っていたのであろうか。 いつも以上に冷静ではなかったようだ。
だが和也からしてみたら今までの推理では裕実がこの病室にいそうで仕方がないようなのだが今のところ裕実の姿は確かにまったくもって見当たらないのが現実でもある。
会話をしながら和也はこの病室の中を見渡すのだが本当に裕実がいる気配はないように思えるのだ。
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