【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
840 / 2,140

ー波乱ー48

しおりを挟む
 和也は望が行ってしまった後に料理を口へと運び今まで話をしていたからなのか進んでいなかった料理を一気に口の中へと入れるのだ。

 少し空いた窓からは暖かい風が食堂へと入り込み和也の髪を揺らす。

 それから食器類を置いて来た望が和也の所へと戻って来ると和也は望の事を見上げて、

「望……俺さ……飯食い終わったら、昨日の女性のとこに行ってくるわぁ。 やっぱり、裕実がいるんだからさ、どっちに道、断らないとならないだろ? それに、女性なら、これからまだまだ先にステキな男性に会えるかもしれねぇんだしさ、早く断っちまった方がいいと思ってよ」
「そうだな。 俺達とは違って、まだまだ、その人には未来があるんだからな」
「まぁな……」

 望はそう言いながらさっきの場所へと再び腰を下ろすのだが和也の方は一気にご飯を食べ終えると、お盆にその食器を思いっきり置いて、どうやら自分に気合いを入れたようだ。

 そして、和也はそのまま、お盆を置きに向かい食堂を出て行く姿を望は追っていた。

「珍しいな……アイツに気合いが入ってるなんて」

 望はとりあえず和也がいなくなると再び中庭の方へと視線を向ける。

 この昼休みにやる事がなくなってしまった望。 少し前まではお昼を食べ終えると雄介とメールしに屋上に向かっていたのだが今はもう雄介は入院している。 だから、望がただ単に雄介に会いに行けばいいのに望の性格上そんな事はしない。

「自分の部屋に戻ってるか……」

 と一人そう呟くものの、やはり和也の事が気になったらしく、

「やっぱ、和也のとこに様子見に行っちまうか?」

 今までの望はそういう事に関して疎かったのかもしれないのだが、どうやら今回の事については気になってしまったらしく好奇心で体が動いてしまったらしい。 きっと恋人が出来て望の中で何かが変わって来たのであろう。

 望は和也を探して外科病棟の方へと向かうのだ。

 エレベーターを使って外科病棟へと出た直後、エレベーター前で和也がその女性に頰を叩かれている瞬間が目に入ってくる。

 まともにその瞬間を見てしまった望は目を丸くしてしまっていた。

 望はただ単に何か和也との話のネタにでもなればいいかな。 とも思ったのかもしれないのだが、まともににその光景を見てしまった望はその場で動けないでいるようだ。

「ま、しゃーないかって所なんかな? 気が強い子やったら余計にな……」

 望がその光景を呆然とした表情で見ている中、直ぐ隣に雄介が来ていたらしく、そう雄介は望に話し掛けてくる。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

処理中です...