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ー波乱ー35
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「なぁ、どうなん? 今日、俺は望ん事抱きたいって思うてんねんけど……体動かしてええっていう許可は出してもらえるん?」
「悪いが……まだ、そこは許可出さねぇよ」
「ほな、アカンやんか」
「バーカ……そこは俺が動けばいい話だろ?」
望は雄介の腕から離れると雄介のベッドの横に立って、
「あ、負担掛かるなら、イかせるだけでいいんだけど……」
望の方はそういつも以上にに顔を真っ赤にして後ろ手に手を組みながら顔を俯かせてしまっている。
「望が動いてくれるんやったら、多分、俺に負担掛からずに最後までいけると思うで……」
真っ赤な顔をしている望に対して雄介の方は笑顔を望へと向けている。
「雄介がそれでいいって言うなら、俺は構わないけどな」
「なら、それでええな」
雄介は望の手のひら捉えると望の事を自分の方へと引き寄せベッドの上へと乗せるのだ。
病院のベッドは通常、一人分の広さしかない。 やはり、そこに大人二人というのは結構狭い感じだ。
望はそのまま雄介にベッドの上へと押し倒されたのだが何が不満だったのか、
「ダメだ……」
と言う。
そして、その望の言葉に雄介の方は頭にハテナマークを浮かべているようだ。 望の事を上から覗き込むようにして見つめる。
「ダメだって言ってんだろ! お前は今日、絶対に動くんじゃねぇぞ! 今日は俺が動くんだからなっ! 特に足は絶対に動かすんじゃねぇよ」
望は雄介に向かってそこまで言うと今度はベッドの上に座って望が雄介の事をベッドの上へと寝かせるのだ。
あまりにも勢いが良過ぎたせいかベッドは軋み雄介は小さな声ではあったのだが、うめき声を上げてしまう。
「あ……ゴメン……少し力入れ過ぎたみたいでさ……」
「平気やって……ここベッドの上やしな……あまり痛くはなかったし……それだけ、望に気合いが入ってるって事やろうしな」
雄介はそう頭をさすりながらも望の事を笑顔で見上げる。
いつもの望だったら、ここで部屋を出て行ってしまう所なのだが今日の望はため息は吐くものの、
「今日だけは特別なんだからな」
ともう何回、望はその台詞を口にしているのであろう。 とは思うのだが望がそう言うという事は望からしてみたら特別という事なんであろう。
「ああ……分かっとる……どんだけ望と居ると思ってるん? そないな事、十分承知しとるって……そんな事をひっくるめて、俺は望の事が好きなんやからな」
雄介は両腕を頭の下へと回すと望の事を見上げる。
今日は何度、望に愛の言葉を告げたのであろうか。 雄介だって、それだけ望の事が好きだという事だ。
「雄介……俺だって、お前の事……どんな雄介でも好きなんだからな……寧ろ、俺はもう……お前以外を好きになるって事はないと思う」
今日の望は何か変な感じはするのだが、さっき熱を計った時には平熱だったのだから今の望の状態は本当に素で雄介に言っているのであろう。 だから逆に言えば本音を雄介に言っているという事になる。
「悪いが……まだ、そこは許可出さねぇよ」
「ほな、アカンやんか」
「バーカ……そこは俺が動けばいい話だろ?」
望は雄介の腕から離れると雄介のベッドの横に立って、
「あ、負担掛かるなら、イかせるだけでいいんだけど……」
望の方はそういつも以上にに顔を真っ赤にして後ろ手に手を組みながら顔を俯かせてしまっている。
「望が動いてくれるんやったら、多分、俺に負担掛からずに最後までいけると思うで……」
真っ赤な顔をしている望に対して雄介の方は笑顔を望へと向けている。
「雄介がそれでいいって言うなら、俺は構わないけどな」
「なら、それでええな」
雄介は望の手のひら捉えると望の事を自分の方へと引き寄せベッドの上へと乗せるのだ。
病院のベッドは通常、一人分の広さしかない。 やはり、そこに大人二人というのは結構狭い感じだ。
望はそのまま雄介にベッドの上へと押し倒されたのだが何が不満だったのか、
「ダメだ……」
と言う。
そして、その望の言葉に雄介の方は頭にハテナマークを浮かべているようだ。 望の事を上から覗き込むようにして見つめる。
「ダメだって言ってんだろ! お前は今日、絶対に動くんじゃねぇぞ! 今日は俺が動くんだからなっ! 特に足は絶対に動かすんじゃねぇよ」
望は雄介に向かってそこまで言うと今度はベッドの上に座って望が雄介の事をベッドの上へと寝かせるのだ。
あまりにも勢いが良過ぎたせいかベッドは軋み雄介は小さな声ではあったのだが、うめき声を上げてしまう。
「あ……ゴメン……少し力入れ過ぎたみたいでさ……」
「平気やって……ここベッドの上やしな……あまり痛くはなかったし……それだけ、望に気合いが入ってるって事やろうしな」
雄介はそう頭をさすりながらも望の事を笑顔で見上げる。
いつもの望だったら、ここで部屋を出て行ってしまう所なのだが今日の望はため息は吐くものの、
「今日だけは特別なんだからな」
ともう何回、望はその台詞を口にしているのであろう。 とは思うのだが望がそう言うという事は望からしてみたら特別という事なんであろう。
「ああ……分かっとる……どんだけ望と居ると思ってるん? そないな事、十分承知しとるって……そんな事をひっくるめて、俺は望の事が好きなんやからな」
雄介は両腕を頭の下へと回すと望の事を見上げる。
今日は何度、望に愛の言葉を告げたのであろうか。 雄介だって、それだけ望の事が好きだという事だ。
「雄介……俺だって、お前の事……どんな雄介でも好きなんだからな……寧ろ、俺はもう……お前以外を好きになるって事はないと思う」
今日の望は何か変な感じはするのだが、さっき熱を計った時には平熱だったのだから今の望の状態は本当に素で雄介に言っているのであろう。 だから逆に言えば本音を雄介に言っているという事になる。
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