【1/完結】ノンケだった俺が男と初体験〜ツンデレ君には甘いハチミツを〜

綺羅 メキ

文字の大きさ
上 下
822 / 2,140

ー波乱ー30

しおりを挟む
「それは……? なんやねん……たまには望の本当の気持ちを聞きたくなる時やってあるんやねんで……」
「分かってるよ。 でも、俺がそれを上手く言えねぇのをお前よく知ってんだろうが……」
「そりゃ、勿論分かってんねんけど。  ほな、もし、俺が望に対して愛の言葉を言わなくなったらどうするん? 不安にはなるやろ?」

 その雄介の質問に対して、もう望の方が逃げ切れないと思ったのであろう。

「だからそれは……お前と……キスしたいに決まってるだろ? したくはないなんて事は一度も思った事はないんだからな……」

 そう望はあまりにも恥ずかしい言葉に顔を俯けながらもそう答える。

 それを聞いた雄介はやっと安心出来たのか食事を口にするのだ。

 その姿を見た望は顔を赤くしながらも椅子から立ち上がって、

「アイツ等にわざわざ二人きりにさせられたんだ。 その好意を無駄にしちゃいけねぇよな? 雄介……箸貸せよ」

 そう相変わらずなのだが最後の方はそうぶっきら棒に言う望。

 だが雄介の方はその望の行動に逆に驚いてしまっているようだ。

 体を固まらせてまで望の事を見上げているのだから。

「ちょ、え? あ、あー、流石に……それは……ええかな?」

 その望の行動に雄介は動揺してしまっているのか焦ったような口調で言いながら望の視線にも合わせられていられない雄介。

「たまには甘えろよ……いいや。 今日だけ特別に甘えさせてやるんだからな。 俺がこういう事滅多にしないのはお前も知ってる事だろ? だから、俺の気分が変わる前に箸渡せよな」

  そう望が言っても渡そうとしない雄介。 だが望はそれが焦ったくなったのか雄介から箸を奪い取るようにして手にすると、その白くて綺麗な手で箸を使い、ご飯を掴むと雄介の口元へと運ぶのだ。

「どうだ? 美味いか?」

 望にそう感想を聞かれても分かったもんではない。 嬉しすぎる望の行動で口の中がいつ以上に甘くなっているのだから全く味なんて物は分かっていないのだから。

 だが、あの望が食べさせてくれているのだから、ここは何か言わなければならないだろう。

「ん……ホンマ、望が食べさせてくれたから、美味いに決まっておるやないか。  最高な気分やんな……望にご飯を食べさせてもらうなんてな」
「なら、良かった……」

 望はそう言うと次はおかずの方を掴み再び雄介の口元へと運んでいく。

 雄介はそれをまた嬉しそうに口にし望に食べさせてもらった料理は全部口にするのだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~

みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。 成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪ イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

処理中です...